よもやま話

打敷(内敷)の話

お彼岸やお盆が近づくと、若い方がお店にいらっしゃって、「あのう、仏壇の中に飾る、三角の刺繍のある布ありませんか? おばあちゃんに頼まれて・・・」などとおっしゃいます。

あの三角(四角)の布は正式には打敷(うちしき)といいます。仏壇の中にお飾りする仏具にはすべて由来があります。打敷も例外ではありません。もともとはお釈迦様が生きておられた頃、高座の上に敷かれていたもので、お釈迦様が亡くなられたあと仏像の前の卓の上に敷かれるようになったと言われています。

打敷の「打」には「張る」という意味があります。「内敷」と書く場合もあります。現在、ほとんどの家庭では年中打敷を使用されていますが、本来打敷とは正式な仏事に使用すべき仏具ですので、普段は使わなくてもよいものです。夏用冬用と色柄ともに豊富に種類があります。普段の生活に衣替えがあるように、打敷も季節に応じてふさわしいものをお飾りしたいものです。

さて、打敷の種類ですが、大きく三角の打敷と、四角の打敷とがあります。三角は本願寺系、四角は禅宗系です。お買い求めになる時はお家の宗派を確認して下さい。また、サイズがいろいろあります。色や柄で選ぼうにも、最初にサイズが解らなくては話になりません。お買い求めになる時に、お仏壇の大きさを言われる方もいらっしゃいますが、打敷の寸法はお仏壇の大きさではなく、打敷を敷く卓の寸法にあわせます。したがって、この卓の幅を調べてから、お買い求めになることをお奬めします。「30センチの幅の卓に掛ける打敷を下さい」と聞いて頂ければ、サイズの心配はありません。全国的には、一部地方で卓を使用しない所もあります。そう言うところでは、仏壇の寸法が基準となります。

色や柄については、多少宗派によって規定がありますが、その範囲内であれば着物を選ぶように自由です。したがって、ある程度流行もあります。金糸銀糸で豪華絢爛な刺繍が流行した事もありますし、赤い色が流行した時もあります。以前と同じような打敷をお求めになるだけでなく、新しいデザインも選ばれると良いでしょう。

また、岐阜地方では打敷やリン布団はお嫁入り道具として用意されますね。お嫁入りの場合は、お嫁入り先の家紋を金糸で刺繍した打敷(特注)が好評です。
打敷を仕舞う場所が困ると言われる方には、専用の箱もございます。

打敷の値段ですが、1,000円前後から、西陣手縫いの何百万円もするものまでさまざまです。お宅の打敷汚れていませんか!! 打敷を買い換えるだけで、見慣れたお仏壇のイメージがガラリと変わります。値段はともかく、法事の前や、季節の変わり目には、一度お近くの仏壇仏具屋さんで、ゆっくりと打敷をご覧になるのはいかがでしょう?

打敷(三角)
打敷(三角)
打敷(四角)
打敷(四角)
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