掌戦隊サンパムカン
Written by くるくるぱ〜子

2001.01.04 新連載 掌戦隊サンパムカン 第一話
「サンパムカン参上!!」


ここは、とある家電量販店。 モバイル関連機器売り場にたたずむ、若い男性が一人。

若い男性:「う〜ん。」

ずらっと並ぶPDAの中から、1つ手に取っては置き、また一つ手に取っては置き、を繰 り返していた。
どうやら、どのPDAを買おうか迷っている様子だ。
彼はもう、1時間ほど、この状態を続けていた。
更に言えば、この2ヶ月ほど、彼は毎週日曜日にこの家電量販店を訪れていた。
PDAが欲しいのは確かだ。
しかし、どれがいいのかさっぱりだった。
決して安い買い物ではない。
だから余計に迷った。

若い男性:「ああ、もう、また今度にしよう!!」

今日も結局、決めることができない。
捨て台詞を残し、彼は売り場を後にしようとした。
その時。

謎の声:「ちょっと待った!!」

彼の前に、怪しげな恰好をした、3人組が立ちはだかった。
それは・・・・・・Palm の着ぐるみ?

Vx:「Vx(ファイヴエックス)!」

IIIc:「IIIc(スリーシー)!」

m100:「m100(エムワンハンドレッド)!」

Vx:「・・・・・・3人揃って、」

全員:「サンパムカ ン!!(決めポーズ)

男性はあっけに取られていた。
自分の目の前の光景を、とても現実のものとは思えなかった。
だって、家電量販店に着ぐるみだもん。
3人しかいないけど、威圧感充分。

若い男性:「サ、サンパムカン!?」

それしか言えなかった。

Vx:「迷える君よ。」

リーダーらしき人物は言った。
何故、彼がリーダーなのか?
・・・・・・だって、真中に立ってるから。
そして、こう続けた。

Vx:「Palm にしなさい。」

・・・・・・ただの押し売りである。

若い男性:「で、でも・・・・・・」

そう、これまで散々悩んできたのだ。
そう簡単に決断できるはずがない。

Vx:「つ・べ・こ・ べ・言うな!!

リーダーは声を荒げた。
しかし、そう簡単に決められるわけが・・・・・・

若い男性:「は、はいぃ!!」

あれ?
気の弱い男だ。
彼は売り場にとって返し、とりあえず Palm Vx を掴むと、速攻で支払を済ませた。
振りかえって、

若い男性:「買いました!!」

と叫んだが・・・・・・既にあの3人組の姿はなかった。
一人残された男性は、ぽかんと口を開け、Palm の入った紙袋を突き上げたまま、しば らくその場に立ち尽くしていた。
はっと我に帰った彼。
今一度、手に持った紙袋の中身を確認する。
彼の顔には、笑みが浮かんでいた。

彼らは一体、何者だったのだろう。
いきなり現れ、人を驚かしたところで、Palm を無理矢理(そうでもないか)買わせ る。
新手の押し売り集団?
いや、でも、彼らの利益にはなっていない。
じゃ、店が雇ったスタッフ?
確認したが、そんなスタッフは雇っていないようだ。
彼らの目的はなんなのか。
どこから来て、どこへ消えたのか。
謎は深まるばかりである。
しかし、一つだけわかっていることは、彼らのおかげで、優柔不断な一人の若者が救 われたということだ。
さて、次回はどこに現れるのか・・・・・・。
たぶんまた、どっかの家電量販店なんだろうね。

(第一話 完)

※「掌戦隊 サンパムカン」と、米Palm,Inc.及びパームコンピューティング株式会社 とは、なんの関係もないので、よろしく。


2001.03.22 掌戦隊サンパムカン 第二話
「サンパムカン再び」


ここは、とある家電量販店。(またかいな)
モバイル関連機器売り場にたたずむ、若いカップルが一組。

女:「ねぇねぇ、『サンパムカン』って知ってる?」

男:「はい?何だよ、『サンパムカン』って。」

女:「あ〜、知らないんだ。」

男:「何だよ、教えろよ。」

女:「なんかね、『サンパムカン』とかいう、おかしなぬいぐるみ(×、着ぐるみ○)を着た3人組が、家電量販店に現れては、『パーム』とかいうのを無理矢理買わせる(誤解、無理矢理ではない)らしいよ。」

男:「へぇ、なんだかなぁ。」

女:「なんだかなぁ、でしょ?」

男:「まぁ、そんなの関係ね〜よ。だいいち俺は今日、『Zaurus』を買いに来たんだぜ。日本人はやっぱ『Zaurus』だろ。日本語そのまま書けるし。なんたって『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、Zaurus!』だぜ。(意味不明)」

男は、展示してある「Zaurus MI-E1」を手に取った。

女:「そ、そ〜ね〜。」

そう言う女の顔は、ちょっと曇りがちだ。
・・・・・・何か不満でもあるのだろうか?
その時。

謎の声:「ちょっと待った!!」

二人の前に怪しげな恰好をした、3人組が立ちはだかった。
それは・・・・・・やっぱり Palm の着ぐるみ?

Vx:「Vx(ファイヴエックス)!」

IIIc:「IIIc(スリーシー)!」

m100:「m100(エムワンハンドレッド)!」

Vx:「・・・・・・3人揃って、」

全員:「サンパムカン!!
(決めポーズ)

・・・・・・また出た。
久々の登場である。
久々の決めポーズである。
作者の怠慢で、初登場から今日まで、随分と間が空いてしまった。(ごめんね)
しかも画像は使い回しである。(ごめんね、ごめんね)
着ぐるみでわからないが、彼らは、それは満足げな表情を浮かべていることだろう。
これで男はあっけに取られ・・・・・・てはいないようだ。

男:「はぁ?なんなの、あんたたち。「パーム」とかいうやつの押し売り?俺はね、これから『Zaurus』を買うの。いい?『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、Zaurus!』だぜ。(やっぱり意味不明)」

男は強気だ。
前回の、気の弱そうな男性とは明らかに違う。
初っ端から敗色濃厚だ。
彼らの顔にも、苦悶の表情が浮かぶ。(ように見える)

Vx・IIIc・m100:「うう・・・・・・。」

なんか策はないのかよ、おい。
なんにも考えてないんだから、まったく。
しかし、だ。
勝利への扉は、思わぬ人物によって開かれた!!



2001.04.16 掌戦隊サンパムカン 第三話
「それでいいのかサンパムカン」


男は強気である。
サンパムカンは、その勢いにすっかり気圧されてしまった。
男が Palm ではなく、Zaurus を買おうとしている事には何の根拠もないはずだから、Zaurus と比較しつつ Palm をアピールし、購入を促すのが本当のはずだ。
しかし、できない。
「『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、Zaurus!』だぜ。(意味不明)」という男の言葉が、サンパムカンの頭の中を駆け巡り、彼らの思考を混乱させていた。
まったく、これしきのことで、情けない話である。
このまま男は、Zaurus を購入してしまうのだろうか。
このままサンパムカンは、せっかく出てきたのに何もしないで終わってしまうのだろうか。
と、その時だ。
意外な人物が、意外な行動を取った。

女:「きゃ〜っ、何これ、かわいい〜っ!!」

・・・・・・男の連れの女が、そう叫びながら、Palm Vx(着ぐるみ)に抱きついたのだ。

Vx:「ちょ、ちょちょ、ちょっと・・・・・・」

慌てる Vx。

IIIc・m100:「え!?」

驚く IIIc と m100。

男:「はい!?」

状況が飲みこめない男。
女は Vx に抱きついたまま、続ける。

女:「何これ、超かわいい〜。ね〜、これ何、何?」

Vx:「あ、え、え〜とですね〜・・・・・・。」

突然の出来事に面食らいながらも、自分は(?)Palm Vx という PDA であること、新機種の登場を目前にして値下がりした事、Zaurus と対抗できる(?)製品である事、Palm とは何なのか、何が出来るのか、などを事細かに説明した。
その間、男と IIIc・m100 は、呆然としたまま何もできずにいた。

女:「え〜、そっか〜、そうなんだ〜。」

本当に理解できたかどうかは分からないが、女は取り敢えず「Palm は Zaurus と対抗する商品である」というところは理解したようだ。
まぁ厳密に言うと大きく性格の違う両者だから、比較するのもなかなか難しい所ではあるのだけれど。

女:「これ欲しい〜、超欲しい〜。」

女はすっかり、Vx を気に入ってしまったようだ。
照れる Vx。(照れてる場合じゃないと思うが)
そして男を振り返ると、女は予想通りの言葉を言い放った。

女:「ねぇ、Zaurus やめて、これにしようよ。

その言葉に、男は我に返った。

男:「ええ!?なんでだよ〜。やっぱ男は『ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、Zaurus!』だろ!?」

男の主張には何の根拠も無い。
もちろん、女だって Vx のデザインが気に入ったというだけで、大した差は無い。
激しく口論する二人。

IIIc:「なんか、大変なことになってますねぇ。」

Vx:「そうですねぇ。」

m100:「で、結局、買ってもらえるんですかねぇ。」

Vx:「さあ?」

サンパムカンらが話しているうちに、口論は終わった。
・・・・・・どうやら、Vx をお揃いで買うということで決着がついたらしい。
女は強い。(笑)
二人は店員に声をかけ、Vx 2台分の会計を済ませると、そそくさと売り場を後にした。

IIIc:「・・・・・・なんか虚しいっすね。」

Vx:「・・・・・・うん。」

m100:「・・・・・・帰りますか。」

Vx:「・・・・・・そうしましょ。」

気ぐるみを来た怪しげな三人組が、売り場を後にする。
一見、異様な光景ではあるが、その背中からは哀愁が漂っていた。


2001.05.15 掌戦隊サンパムカン 第四話
「100 + 5 = ?」


ある晴れた日の昼下がり。
午前中のパトロールを終えたサンパムカンは、とある喫茶店で昼食を取っていた。
まぁ、実はここ、彼らの秘密基地だったりして、マスターが長官だったりするのだがその辺は取り敢えず置いといて。
m100 が食っているのが、やっぱりカレーライスだったりなんかするのもひとまず置いといて。
Vx は言った。

Vx : 「なんかさ、変なんだよな。」

突然の Vx の言葉に、怪訝そうな表情を浮かべながら、IIIc が答えた。

IIIc : 「・・・・・・何が?」

m100 は相変わらず、カレーライスを貪り食っている。
それを横目に、Vx は続けた。

Vx : 「いやね、なんだか、昨日までと何かが違うんだよ。」

IIIc : 「だから何が?」

Vx : 「それが良く分からないんだよ。なんとな〜く、さ。」

IIIc : 「なんとなく?何それ。それじゃわかんないよ。」

訳の分からないことを言い出した Vx に、呆れたような表情を見せながら IIIc は言う。
m100 は早くも、3杯目のカレーライスに手をつけた。

Vx : 「う〜ん、なんだろうなぁ。凄く違和感があるんだよな。『サンパムカン』が『サンパムカン』じゃ無くなっちゃったみたいな。」

IIIc : 「え〜、でも、僕は何も感じないよ。」

Vx : 「そうか・・・・・・俺の思い過ごしなのかなぁ・・・・・・。」

IIIc : 「そうそう、きっと思い過ごしだって。」

Vx : 「う〜ん・・・・・・。」

腕を組み、考え込む Vx。
ふと目をやると、m100 が6杯目のカレーライスをたいらげ、なんと7杯目に手を付けるところだった。
それに気付いた Vx は言う。

Vx : 「あれ?m100 って、いつもカレーライス2杯でやめてなかったっけ?」

それを受け、IIIc も言う。

IIIc : 「そうだよ、『もうこれ以上食えね〜っ』とか言ってたじゃないか。今日はどうしたの。」

脅威のスピードで7杯目もたいらげ、8杯目に手をかけながら、m100 は言った。

m100 : 「う〜ん、自分でも良く分からないんだけどねぇ。なんか、今日はすげ〜腹が減って。あ、でも、この一杯でラストかな〜。」

そう言って顔を上げた m100 を見て、Vx と IIIc は思わず声を上げた。

Vx・IIIc : 「あっ・・・・・・!!」

それもそのはず。
m100 の額には、こう書かれていたのだ。

「m105」



2001.06.08 掌戦隊サンパムカン 第五話
「赤、青、黄色」


ある晴れた日の昼下がり。
午前中のパトロールを終えたサンパムカンは、とある喫茶店で昼食を取っていた。
まぁ、実はここ、彼らの秘密基地だったりして、マスターが長官だったりするのだがその辺は取り敢えず置いといて。
m105 が食っているのが、やっぱりカレーライスだったりなんかするのもひとまず置いといて。
またもや前回と同じ出だしだなんてこともやっぱりひとまず置いといて。
Vx は言った。

Vx : 「なんかさ、やっぱりダメだと思うんだよな。」

突然の Vx の言葉に、怪訝そうな表情を浮かべながら、IIIc が答えた。

IIIc : 「・・・・・・何が?」

m105 は相変わらず、カレーライスを貪り食っている。
それを横目に、Vx は続けた。

Vx : 「いやね、俺達ってさ、『掌戦隊』じゃん。」

IIIc : 「そうだけど?」

Vx : 「『戦隊』ってやっぱり、赤とか青とか、隊員それぞれが自分のカラーを持ってるべきだと思うんだよ。」

IIIc : 「う〜ん、そうなのかなぁ。」

また訳の分からないことを・・・・・・と、呆れたような表情を見せながら IIIc は言う。
m105 は早くも、3杯目のカレーライスに手をつけた。

Vx : 「絶対そうあるべきだって。なのに俺達ってば、黒とかシルバーとか、三人が三人とも地味な色じゃん。」

IIIc : 「それで?」

Vx : 「だ〜か〜ら〜。リーダーの俺は赤、お前は青、三枚目の m105 は黄色のボディカラーを身にまとうべきだと思うわけ。」

IIIc : 「・・・・・・君がリーダーかどうかって議論はひとまず置いといて、そんなこと言っても、フェースプレートを付け換えられる m105 ならまだしも、僕達はそんな簡単にボディカラーを変えられないよ?」

Vx : 「って、ばかだなぁ、知らないの?Dave Design ってところから、IIIc用のリプレースメントケースが出てて、ちゃんとブルーもあるんだぜ。生産中止になるそうだから今なら在庫処分でお買い得。」

IIIc : 「う〜ん、いくら安くなっているとはいっても、それはコストが・・・・・・。」

Vx : 「俺はPDA工房。ここで真っ赤にペイントしてもらう。」

IIIc : 「だからコストが・・・・・・。」

Vx : 「もちろん m105 はフェースプレートを、黄色はないからシトラスに変えて。」

IIIc : 「君、人の話聞いてないでしょ。」

突っ走る Vx に、少々呆れ気味の IIIc。
m105 は我関せずといった具合に、6杯目のカレーライスをたいらげ、7杯目に手を付けた。
それを横目に、余裕の笑みを浮かべる Vx。
それもそのはず、彼にはこのコスト面の問題を帳消しにする秘策があったのだ。

Vx : 「はっはっは、大丈夫、大丈夫。ね、Pilot長官?」

Vx は、カウンターの中にいる男に向かって声をかけた。
一見、ただの喫茶店のマスターにしか見えないエプロン姿のさえない初老の老人は、何を隠そう、掌戦隊を率いるPilot長官その人である。

長官 : 「ん、なんだ?」

Vx の問い掛けに、Pilot長官はとぼけて見せた。

Vx : 「またまた〜、とぼけちゃって。今の話、全部聞いてましたよね?」

長官 : 「う〜ん、なんのことやら。」

Vx : 「ペイント代と、ケース代と、フェースプレート代。これ、経費で落ちますよね。」

Vx の狙いは、始めからここにあった。
すべてを経費で落としてしまおうというのだ。
しかし、間髪入れずに長官は言った。

長官 : 「却下。

Vx : 「え、ええ〜っ!何でですか〜っ!!別に自分がカッコ良くなりたいとか、それだけで言ってるんじゃないんですよ?カラフルな方が、ユーザーにもアピール度が高いだろうし・・・・・・。」

長官 : 「あのねぇ、『こんな色のPalm、どこで売ってるの?』なんて聞かれたら、お前さんどうするつもりだい?」

Vx : 「うっ・・・・・・。」

Vx は反論できなかった。

m105 : 「・・・・・・ふ〜、ああ〜、食った食った。今日も腹いっぱいだ〜。って、あれ?どうしたの?なんか元気ないねぇ。」

カレーライス8杯をたいらげた、m105 の能天気な言葉が店内に響いた。
どうやら Vx の思い描いた「正しい戦隊の在り方」を実現する夢は、脆くも崩れ去ったようである。



2001.06.15 掌戦隊サンパムカン 第六話
「エリート登場」


ある晴れた日の昼下がり。
またもや秘密基地である喫茶店である。
毎回同じシチュエーションというのは、作者の手抜き意外の何物でもない。
Pilot長官は言った。

長官 : 「え〜、これからある人物を紹介する。」

Vx・IIIc : 「え?」

そんなこと聞いてませんよ、といった風の二人。
m105は我関せずと、カレーライスを食っている。
長官は続ける。

長官 : 「彼は、掌戦隊アメリカ本部のエリートで、昨今の日本の PDA 市場を調査する為に来日された。」

突然の発表に戸惑う Vx と IIIc。
m105 はカレーライスを食っている。

長官 : 「ささ、じゃ、中へ。」

長官に促され、カウンターの奥から一人の男が現れた。
グレーのボディ。
ガン黒ではないので、液晶はモノクロのようだ。
デザインは IIIc に似ている。
しかしただ一つ、IIIc とは決定的に違う部分がある。
それは、頭からニョキッと生えた、「アンテナ」。
長官は言った。

長官 : 「という訳で、これから一週間、君達のパトロールに同行することになった Palm VII(セブン)君だ。」

VII : 「ドモ、せぶんデェス。ヨロシクオネガイシマ〜ス。」

片言の日本語で、その海外からやってきた男は自己紹介をした。

Vx・IIIc : 「あ、ああ。こちらこそ〜。」

長官 : 「彼のどの辺がエリートかと言うとだな、通信機能を内蔵しているところだ。」

そう。
Palm VII は、単体での通信が可能である。
携帯電話や PHS を接続することなく、インターネットに接続し、情報を得ることができるのだ。
頭のアンテナは伊達じゃない。

Vx・IIIc : 「お、おお〜。」

二人は、「エリート」、しかも「外国人」、更には「自分たちには無い能力を持っている」というだけで完全にビビっているようだ。
相手は日本語で喋り、メチャメチャ低姿勢だというのに。
動じてないのは m105 だけ。
ただ目の前のカレーライスに夢中なだけだが。
こういう奴を「バカ」とも言う。

Vx : 「え、ええ〜っと。それじゃぁ早速、パトロールに出かけましょう。」

サンパムカンは、VII を連れて、午後のパトロールに出かけた。

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こういう日に限って、なんかしら事件が起こるものだ。
いつもの巡回ルートにある家電量販店で、サンパムカンは危機に立たされていた。
PDA を物色している男を発見し、いつも通り颯爽と(?)登場したサンパムカン。
しかし、今回は相手が悪かった。
男は、CFタイプの PHS カードが使えることを前提に、PDA を物色していたのだ。

男 : 「やっぱさ、いまどきは手軽に通信できることが、PDA を選択する上での最重要事項でしょ。」

いくら Palm のシンプルゆえの優位性、思想の素晴らしさを説いたところで、はっきりとした目的を持っているこの男には、馬の耳に念仏である。
しかも、「手軽で快適な通信」は、今現在、Palm が最も苦手とする分野なのだ。

Vx : 「く、くそうぅ〜。」

IIIc : 「ねぇ、もう何言っても無駄なんじゃない?今日のところは引き揚げようよ。」

m105 : 「うん、そうしよう。腹減ったし。」

先ほどカレーライスを8杯も平らげたくせに、m105 の食欲は相当なものだ。
まぁ、そんなことはどうでも良い。
このままでは、男が Palm 以外の PDA に流れてしまうのは確実である。
なんとか打開策は無いものか。
このまま、サンパムカンの連載が始まって以来、初の敗北を喫してしまうのか。
と、その時。
Vx の頭に、一つの考えが浮かんだ。

Vx : 「せ、VII さん!!」

そう、その考えとは、VII の通信機能を見せることである。
通信機能を内蔵した機種など、Palm どころか PDA 全体を見たって数えるくらいしかない。

VII : 「ナンデスカ?」

Vx : 「あなたの力を、通信機能を、ここで見せて頂きたいんです!!」

VII : 「オ〜ノ〜、ソレハデキマセン。」

Vx : 「ええ!?なんでですか!!今までのやり取り見てたでしょう?」

VII : 「オ〜、デキナインデス〜。」

Vx : 「できないって・・・・・・まさか、今回の来日は市場の調査が目的だから、力を見せることはできないとか、そんなけち臭いことを言うわけじゃないですよね!?」

VII : 「『デキナイ』トイウヨリ、『ムリ』ナンデス〜。」

Vx : 「無理?無理って・・・・・・。」

VII : 「ワタシノ『ツウシンキノウ』ハ、『アメ〜リカ』デシヨウスルコトガゼンテイデ、『ジャパン』デハマッタクヤクニタタナイノデ〜ス。」

Vx : 「え、ま、まじすか・・・・・・。」

サンパムカンは敗北した。

(第七話へつづく)



2001.08.02 掌戦隊サンパムカン 第七話
「おかしいのは誰だ!!」


Palko:「はぁい!! Palko(ぱ〜こ)です。Palko の人生相談、今日のお客様は、東京都在住の匿名希望、M百男さんです。こんばんわ!!」

M百男:「あ、ども、こんばんわ。」

Palko:「M百男さんは、セールスマンをなさっているとのこと。」

M百男:「え? あ・・・・・・まぁ、そんなもんです。」

Palko:「早速ですけど、何をお悩みですか?」

M百男:「あ、え〜っとですね。僕には一緒にお仕事をしている仲間がいまして。」

Palko:「セールスマンの?」

M百男:「ああ、まぁ、そうです。その仲間がですね、最近どうも様子がおかしいんですよ。」

Palko:「おかしい?お腹を抱えて笑っちゃうほど?」

M百男:「そのおかしいじゃなくて。以前とはまるで別人なんですよ。」

Palko:「ふ〜ん、どんな風に?」

M百男:「一人は、急にガタイが良くなったんですよ。まぁ、以前は線が細すぎたってのもあるんですが。トレーニングしたにしても、そんな急に筋肉とかつくものじゃないでしょ?それと、突然化粧をするようになったんですね。以前はまったく飾りっけのない、地味めな、化粧とは無縁の人だったのに。」

Palko:「ふむふむ。」

M百男:「で、もう一人は逆に、急に線が細くなってしまったんです。以前はガン黒の、いかつい体つきをしていたのに。そして、派手派手な化粧がトレードマークみたいな人だったのに、なぜか化粧をまったくしなくなってしまいました。」

Palko:「ふむ。」

M百男:「で、こっからは二人に共通したことなんですけど、なんか動作がやたら機敏になりました。歩くのまで早くなったもんだから、僕、付いていくだけでも大変なんです。」

Palko:「へぇ〜っ。」

M百男:「それから、ある日二人が似ていることに気が付いて。もともとは似ても似つかない二人だったのに。もう、外見なんかほんとそっくりで、微妙に肉付きが違うくらい。」

Palko:「ほぉ〜っ。」

M百男:「で、極めつけなのが、右後頭部。たまにね、こっから何かを出し入れするんですよ。だって、頭ですよ、頭!! なんでそんなスペースが空いているのか分からない。突然『あ、このカードじゃないや』とかなんとかブツブツ言いながら、頭のそれを入れ替えるんです。」

Palko:「はぁ。」

M百男:「会話も全然噛み合わなくなっちゃいました。『やっぱパワーランだよね』とか、『クレードルから降りる時、バキッ!って音がして恐くない?』とか、もうちんぷんかんぷん。」

Palko:「それは大変ですねぇ。」

M百男:「でね、僕思ったんですよ。」

Palko:「何をですか?」

M百男:「きっとあの二人は、宇宙人なんだって。」

Palko:「はい!?」

M百男:「いや、正確には、もとの二人は宇宙人に消されたか連れ去られたかして、宇宙人が入れ替わったんですよ、きっと。」

Palko:「・・・・・・。」

M百男:「だいたい、頭から何かが出たり入ったりすること自体おかしいでしょう?絶対おかしいよ!!」

Palko:「ちょっと、落ち着いて下さい。」(ここでスタッフ入り、メモを Palko に渡す)

M百男:「くそう、宇宙人め!!今度会った時にはギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてやる!!」

Palko:「もう、落ち着きなさいってば。(メモを読みつつ)えっと、今、あなたのお勤め先の事務所にスタッフが連絡を入れてみました。」

M百男:「・・・・・・え?」

Palko:「で、今お話されたお二人ですが、正式な社員ということで間違いないとのことです。」

M百男:「・・・・・・は?」

Palko:「えっと、最近人事異動があって、以前のお二人には後方支援にまわってもらい、新たに有望な人材をあなたの部署に配属したということみたいですけど。」

M百男:「・・・・・・あれ?」

Palko:「実は、ちゃんと紹介するつもりだったみたいですが、配属の日の朝、あなたは遅刻されたそうで、人が替わってるのにまったく気が付かないもんだから、おかしくてそのまま放っておいたそうです。」

M百男:「・・・・・・。」

Palko:「ちなみに、お二人は『m505』さんと『m500』さんとおっしゃるそうですよ。ちゃんとお名前覚えてくださいね。」

M百男:「・・・・・・はい。」

Palko:「おかしいの、あなたの方でしたね。」

M百男:「・・・・・・ご迷惑お掛けいたしました。」

Palko:「さぁ、今日も無事にお悩み解決!! Palko の人生相談、また明日お会いしましょう。あなたのハートを狙い撃ち!! んぢゃ、ばぁい!!」

M百男:「ほんとにごめんなさい・・・・・・。」



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