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2001.01.17
新春特番「私は見た!」
靖之介@手のひら侍



私リカ・カリーンは、テキサス州アリゾナNASA研究所に程近いドッティ農場に来ています。まずはご主人のマイケル・ますだ氏に話しを伺いましょ
う。
マイケル
「あれは、わしが牛のアイコを小屋に入れようとしていた時じゃ。裏の小屋でニワトリが、ぱたぱた騒しいんで、また野良犬が悪さしに来たんじゃ
と思い、そっと近づいたんじゃ。」
リカ
「そこで何を見たんですか?」
マイケル
「マサカと思うだろうが、居たんだ!エイリアンだよ!20人ぐらいかのう、裏の辻むこうに手に手に怪し気な小型の機械を持って訳の分からない言
葉で、喋ってたんじゃよ。」
リカ
「その姿を貴方ははっきり見たのですか?」
マイケル
「おお見たとも、年はとっても眼だけは、まだまだ現役じゃからな。眼が渦巻の奴や、髪の毛が爆発した林家ペー・パー子みたいな奴、不気味な笑
い顔だけ浮かんでる奴もいたよ。眼鏡をかけたトリのような奴、それからクロサワ映画で見たサムライもおったわ。姿形はバラバラじゃったがあれ
は間違いなくエイリアンだよ。」
リカ
「彼らの持っていた機械についてはどうでしょうか」
マイケル
「遠くからなんで良く分からんが、ロスで庭師組合長をしとるせがれの太郎の持っておったpalmに似ておったが、ちょっと違うな。色や形が違って
いたし、そいつらのひとりが持っていたのには、ツノみたいなアンテナが2本と毛が生えてたんじゃからな。」
リカ
「(おいおいそれはジャパニーズユーザーが得意なKAIZO palmじゃないんか?と小声で毒づきつつ)彼らは、いったいどんな話しをしていたんですか
?」
マイケル
「俺にわかる訳ないだろ、エイリアンの言葉が!あんたえらいべっぴんさんじゃが、おつむはあほぱーじゃの。ひゃひゃひゃひゃ」
リカ
「(くそーあとで、ボコボコじゃ!)それはそうですが、何か覚えていませんか?」
マイケル
「そうさな〜。そうじゃ!『マック ハリーとかダーティ ハリーをどうする』とか聞こえたような・・・。」
リカ
「・・・。最後に、あなたのお話には彼らの乗り物、つまりUFOのことが出てきませんが?」
マイケル
「おお、やっと聞いてくれたか?実は、奴らに見つからないようにするだけでUpupで、その姿は写真には撮れんかったが、奴らがいた場所のすぐそ
ばに、ゆうほの着陸跡があったんじゃ!奴らがゆうほで飛んで行った後でそこへ行ってみると、こんなものが、落ちておったんじゃ!
リカ
「(やっと出て来た。ピザの上のチーズみたいに話をのばす、じじいめ)是非それを見せて下さい。」
マイケル
「それがこれじゃ!」
リカ
「ギャー、ヘルプミー」
その手には、きれいなトグロを巻いた・・・う・・・美しい金色のヘビがちょこんと乗っており、ニコニコしながらこう言いました。
「明けましておめでとう!私は、宇宙から来た、宇宙ヘビのナースです。決してう××じゃないです。今年の干支ということなんでヨロピク!」

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2001.01.18 超初心者ゴンザレス 第九話
「ケースを買え!」
え?ジジイ?@ノキアン・パーム(仮称)


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



「では、ネゴの内容は、先日の議事録の通りに。」
権三は厳かな口調で切り出した。
「ええ、後はゴンザレス様にお任せします。よろしくお願い致します。」
相手は権三に深深とお辞儀をした。
権三は一礼すると、椅子の脇に置いていたポーターのブリーフケースに書類を詰め、その場を離れた。

・・・ここは銀座のとあるオフィスビルの一角。
権三はあるネゴシエイトの依頼を受け、ネゴ内容につき依頼人とぎりぎりまで調整を行っていたのである。この後、権三はこのネゴシエイトに成功した事で、所属する協会から表彰を受ける事になるのだが、それはこの話とは何の関係もないため割愛する(+_+)\バキッ

「さて、File−E完了っと。」
権三はToDoリストから今回の用件を削除すると、Vxを鞄にしまった。
カチッ。
鞄の中で金属音がする。
「あれ?何か当ったか??」
鞄の中を覗き込むと、書類止めのクリップがVxに当っていたのである。
「あーあー。」
見ればVxに傷はついていない様であるが、それでも良い気分ではない。
「ううむ、良く考えれば付属のカバーではVxの全体を覆えないではないか。」
権三はVxをYシャツの胸ポケットにしまうと、再び歩き出した。

気分を変える為銀ブラする権三は何時の間にか、昭和通りから中央通りまで歩いてきていた。
「日一日と風情がなくなっていくのう。昔は木挽町とか、町の由来がわかりそうな街が多かったものを・・・。表情がなくなっていくのは、年老いたものにはたまらんなあ。」
昨晩読みふけった本の影響からか、権三は中央通りから更に裏に廻り、有名な洋食屋に入った。
風情のあるたたずまいと、懐かしい「洋食」の味。畳敷きの座敷で食べると言う情景に酔ったからか、先ほどのクリップとVxとの接触の事も忘れ、権三はふらふらと並木通りまで歩を進めた。

ふとその目に「Vx用ケース入荷しました」の文字が飛びこんできた。
権三は訝しみつつ、目を凝らす。
どうみてもVxの文字である。
「・・・Vxと言えば・・・これだよなあ。」
権三は胸ポケットに収まったVxに目をやる。
「ふむ、おもしろそうである。」
権三はそう呟くと、銀座の裏通りにひっそりと佇むセレクトショップに入っていった。

「ごめんなさいよ。」
言いつつ、権三は店の中をしげしげと見て廻る。
店員はと言うと、やる気がなさそうに流行りの雑誌に目を落としている。
ふと、その目線を上げると・・・。
「ちと物を尋ねたい。」
「うわぁっ!びっ、びっくりさせないで下さいよ!」
店員は眼前に権三の顔が急に現れたからか驚いた。
「いや、表に張り紙のあるVxのケースと言うのはどれかね?」
「あ、ああ、あのケースね。ちょっと待って。」
店員は店の奥をごそごそと掻き回し、箱を二つ取り出した。
「この二つですね。委託販売の品なんですが、結構物は良いですよ。一つはコーチ。もう一つはビトンなんですよ。」
店員が箱からケースを取り出す。見れば新品同然だ。

「へぇー、コーチって言ったら結構な品じゃないか。こっちも良さげだねえ。」
権三は逸る気持ちを抑えつつ、呟いた。
「まあ、最近流行ってるからね〜Palmは。その辺のビジネスマンも結構使ってるから、入れた傍から売れてしまうんですがね。でも買った後違う機種に買いかえる人も多いので、ケースが合わないから売りに来るって人も多いんですよ。」
「ほぉ〜、そうかね?」
「お客さんもPalm持ってます?もしVx持ってるなら、これ買えば箔がつきますよ〜。」
店員は自分のVxにケースをつけて、権三に見せた。
「ふむ、これはいくらぐらいになるのかな?」
「まあ、このくらいですかね?」
店員は権三の態度に、計算機を弾いて見せる。
「うむ〜、ちょっと高くないか?」
権三は言いつつも、鞄の中に入れて持ち運ぶときはコーチのケース、祝賀会等のフォーマルな服装の時はビトンのケース、と使い分けを考え始めていた。
「二つでこの値段。どうかね?」
権三は言いつつ、店員の持つ計算機をちょちょいと叩く。
「ん〜、良いでしょう。これでオッケーです。」
店員はにこやかに言い、ケースを箱に納めた。
二つの箱を手提げ袋に入れる店員に対し、権三はその代金を支払った。

店を出た後、権三は近くの喫茶店に入り、コーチの専用ケースにVxを入れて見る。
「ふむ、これならVxが傷つく事もなさそうだな。それにフォーマルウェアのときは鞄とか持つ事もないから、ビトンのケースが結構似合いそうだわな。まあ、他にもケースは一杯売ってあるが、こういうのだと外人相手でも臆する事はない。いや、良い買い物をしたわい。」
ミルクティを飲みつつ権三は呟いた。
その一方で、セレクトショップの店員は・・・。
「もしもし、かーちゃん?わし〜。この前サラリーマンが売りに来たけったいなケースな。なんか身なりの良い老人が来て倍値で買って行きおったわ。今日はこれから焼肉食いに行くぞ〜。」
・・・どうやら、権三は高額で吹っかけられていた様である。
ま、お互い良い思いをしたのならそれで良しとしますか(+_+)\バキッ



・・・後に権三は、中村屋・丑や・国立商店と言ったケースショップの存在を知り、パーム用ケースの奥深さにはまって行くのだが、それはまた別なお話である。


(第9話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にパームユーザー憧れの外国製ケースを入手した権三。
しかし、彼はまだVxに保護すべき部分がある事をすっかり忘れていた!
権三は果たしてその事に気付くのか?
それともいつもの様に、珈琲かえ?ジジイ?に指摘されるまで忘れているのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!!
「保護すべきもの」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!




これが勝利の鍵だ!(writeRIGHT)

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2001.01.19
Palm刑事〜Graffiti殺人事件〜
【前編】
(あほ見習い:singo@Blank Brain Palm



 あるマンションの一室で、ひとりの男性の他殺死体が発見された。
 被害者の胸ポケットから、PalmVx日本語版が見つかったことから、捜査本部はPalm刑事たちの出動を要請した。Palm刑事とは正式名称"Palm特別捜査班"に配属された刑事たちの俗称であり、Palmに関わる数々の難事件を解決してきた強者どもである。
 Palm刑事、最古参の通称"ぱーさん"と新入りの通称"えむ君"のコンビが、事件を担当することになり現場へ赴いた。

 現場はすでに死体も運び出された後であり、初動捜査にあたった所轄の捜査員の姿も疎らだった。胸ポケットから桜の代紋入りの特製カバーつきのPalmを取り出すと近くにいた捜査員に見せる。捜査員は慌てて敬礼をした。
 「所轄の斉藤と申します。よろしくお願いします」
 「早速ですが被害者のPalmを見せてもらえますか?」
 えむ君の言葉に斉藤は、ビニールの袋に入った多くの遺留品の中から、Palmを探しだし手渡す。受け取ったえむ君は白手袋をはめ、システムの環境設定を起動した。所有者を確認しアドレス帳を開き、所有者の情報が名刺設定されていることを、さらに確認する。
 「被害者は田中健一、XX株式会社の係長だそうです。カスタムの一番目に生年月日を割り当ててますね。それから逆算して年齢は三十三歳。プライベート項目がひとつもないこと、パーソナルカテゴリに結構、女性のデータが入っていることから考えて、独身のそこそこ遊んでいる男だと思われます」
 ひと息にまくしたてる、えむ君を感嘆の眼差しで見つめる斉藤。
 「さすがですね。初動が小一時間かかって集めた情報を、わずか五秒で…」
 「感心されるほどのことでも無いですよ。それより現場の状況を教えていただけますか?」
 「はい、はい」
斉藤は手帳を取りだし説明をはじめる。
 「被害者の身元はもういいですね。死亡推定時刻は死後硬直からみて夕べの午後九時から十一時。解剖の結果しだいで、もう少し絞り込めるかもしれません。死因は細身のナイフでわき腹を刺されたことによる刺殺。凶器のナイフは刺さったままでしたが、柄の部分は犯行後、拭われた形跡があり指紋は検出されませんでした。ただ死亡するまでにだいぶもみ合ったようで、わき腹以外に数カ所、傷を負っています。そのうえ死亡直後、あるいは直前に床を引きずり回した形跡があり、その残忍な犯行手口、部屋に荒らされた形跡がないことから、怨恨による顔見知りの犯行の線が濃厚です」
 「犯人はこの中にいる、かぁ」
 小声でPalmを指さし呟くぱーさん。怪訝そうな表情を浮かべる斉藤にあとを引き継いで説明をするえむ君。
 「つまり顔見知りということは、アドレス帳に犯人の情報も入っている可能性が高いということです」
 「それより、死亡推定時刻前後の被害者の予定表はどうなっているんだ?」
 「それなんですが、割に被害者はプライベートでも仕事でも、こまめに予定を記述しているようなんですが、その時刻の前後はナンの記述もありません。犯人は約束なしに突然訪れたものだと思われます」
 そばで聞いていた斉藤がおそるおそる口を開く。
 「あのぉ、盛り上がっているところ恐縮ですが、実はまだ続きがありまして…。被害者は最後の力で、床のうえに自らの血で暗号のような記号を書き残しておりました。犯人を指し示しているとは思うのですが…」
 ニヤニヤ笑うぱーさん。
 「うんうん、いい感じじゃないか。知ってるよ、ダイバーズウォッチとかなんとかいうヤツだろう」
 「ぱーさん、それをいうならダイイングメッセージです。ダイしか合っていません」
 「まぁ、なんかそんなやつだよ、それ見せてくれる?」



 「こんな簡単でいいの。これどう見ても、GraffitiのTとKだよね。えむ君、アドレス帳からイニシャルがT.K.もしくはK.T.の人間を探すんだ」
 えむ君は小さくうなずくと、Palmの操作を始める。しばらくして首を傾げるえむ君。
 「うん、どうかしたか?」
 「見つかったことは見つかったんですが、ひとりだけなんです」
 「ひとり!!もう決まったようなものじゃないか。そいつが犯人だよ」
 「しかし…そのひとりは被害者、田中健一本人です。被害者はあるいは自殺でしょうか?」
 頭を抱えてしゃがみこむ、ぱーさん。
 「そんなわけないだろ。なんで自殺する人間がダイニングキッチンなんか残すんだよ」
 「お言葉ですが、ダイイングメッセージです」
 「なんでもいいよ、なんか他にTとかKとかそれっぽいのいないの?」
 またまた斉藤がおそるおそる口を挟む。
 「本当に申し訳ありません。実はまだ続きがありまして、動機とアリバイの有無から容疑者はすでに三人に絞られていまして…」
 「それを先に云ってくれ、その人物像を聞けばT.K.の謎も解けるよ、たぶん」
 斉藤は自分の手帳を、あらためて見ながら話始める。

 「まず一人目、新井房子、二九歳。最近まで被害者とつきあっていたのですが、若い女の出現により冷たく捨てられ相当、恨んでいたようです」
 「痴情のもつれか、でも女には無理な犯行じゃないか?」
 「力があればまぁ、やってやれないこともないんじゃないか、って話ですが…」
 「まあ、意外性があるほうがミステリィは面白いしね」
 「次の容疑者は長野瞬、二七歳。被害者の職場の後輩です。仕事上もプライベートでもつきあいはあったようです。ただ一月前ぐらいに被害者から、そこそこの金額の借金をしたようで、"返せ"、"今は無理"といった言い争いを他の同僚に目撃されているようです。本人は三日前に返したと云っているのですが…なにも証拠もないですからね」
 「どれくらいの金額なんだろう?」
 「さぁ、はっきりとした金額は分かりません」
 「最後のひとりは?」
 「吉田浩、二一歳。街のチンピラです。被害者は酒癖が悪く、二週間前の話ですが酔ったあげくケンカをして、相手に大怪我を負わせたんですが、その相手が容疑者の兄貴分でして、素人相手に大怪我というのは体裁が悪いというので警察沙汰にはなりませんでした。しかし吉田は見つけだしてぶっ殺してやると息巻いていたようで、本気で探し回っていたようです」
 ぱーさんは小さくため息をつく。
 「女と金と酒か。なんにしろ被害者もロクなやつじゃないな。なんか出たか?」
 熱心に被害者のPalmを操作しているえむ君に尋ねるぱーさん。
 「新井房子と長野瞬の名前はアドレス帳に登録されています。新井はときどき予定表にも登録されていますね。長野は仕事上の必要もあったせいか予定表にも頻繁に登場しますしToDoにも名前が見られますね」
 「T.K.と関係ある記述はないか?」
 「それは見つかりません」
 そばで二人のやりとりを聞いていた斉藤が口を開く。
 「それは本当にTとKナンでしょうか?素人が口を挟むのもナンですが、私には犯人を指し示す記号を残すとき、わざわざ自分のイニシャルと同じになるようなものを書き残すとは思えないのですが…」
 床の上の変色した血痕を眺めながら、首をひねり考え込む三人。
 「そうか!解りましたよ、ぱーさん」

(CONTINUE)

 

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2001.01.22
Palm刑事〜Graffiti殺人事件〜
【後編】
(あほ見習い:singo@Blank Brain Palm


 「そうか!解りましたよ、ぱーさん」
 「なんだい。急に大きな声で…」
 そのぱーさんの言葉を遮るように、えむ君は話始める。
 「我々は被害者の頭の位置から、あの文字をTとKだと判定しました。しかし被害者は移動させられた形跡があるんですよ。なにか書かれていることに気づいた犯人が被害者を百八十度回転させたのだとしたら…」



 「こ、これは…」
 「そうです。慣れた人間が一筆で書くときのXとLです」
 勝ち誇ったような顔のえむ君。
 「しかし容疑者の中にXやLと関係しそうな人物はいませんが…」
 斉藤が困惑顔でつぶやく。えむ君は少し考えて口を開く。
 「Graffitiでイニシャルを書き残すことに不安を覚えた被害者は、犯人の特徴を表す記号を残すことにしたのです。XLは服のサイズではないでしょうか?」
 「服のサイズ?」
 「LLのさらに上にXLってあるでしょ。犯人は人並み以上の体格であるということを、あらわしているのではないでしょうか」
 斉藤はうかない表情で首を振る。
 「容疑者の3人は全員、中肉中背です。だいたいXLっていうのは、ちょっとコジツケっぽいような気が…」
 「いいセン行ってると思ったんだけどなぁ」
 小声でつぶやく、えむ君。
 二人のやりとりの傍らで、自分のPalmをイジっていたぱーさんがうなずく。
 「うん。悪くないよ、悪くない」
 「なにか掴めましたか、ぱーさん」
 「たぶん犯人が解ったと思う。私の推理を聞いておかしなところがあれば指摘して欲しい」
 歩き回りながら、指を一本たてる。
 「まず最初に新井房子を容疑者からはずした。理由はAFのGraffitiはどちらもアルファベットとは微妙に違う。被害者が犯人の手がかりを残そうとしたとき、素直にGraffitiでイニシャルを書くのが自然だろう。残りのふたりは長野瞬も吉田浩も、イニシャルを書き残すと犯人に気づかれて消されてしまう可能性が高い。Graffitiで書いてもアルファベットそのままだからな」
 さらに指を一本たてる。
 「次に殺害時の犯人の心理を考えてみた。被害者が最後の力で、なんらかの文字を書き残そうとしていることに気づいたとき、黙ったまま書き終えるのを待つだろうか?1文字目と2文字目は同じ向きだとは限らないのではないか」
 「つまり1文字書いた時点で、被害者は移動させられた可能性がある、ということですか?」
 「そう、その通りだ。そして被害者が書き上げた文字は、犯人の名前にはどうみても見えないシロモノだった。この文字を現場にそのまま残しておいたほうが、捜査は混乱するのではないか、犯人はそう考えた。そして一応カモフラージュのため、息絶えた被害者をさらに移動させた」
 「でも、それでは被害者が本当は何を書こうとしていたかは、解らないのではないですか?」
 ぱーさんは首を左右に振りながら、3本目の指をたてた。
 「まだ終わりじゃない。最後に被害者の立場になって考える。死のまぎわ犯人の手がかりを残そうと云うとき、服のサイズを書く奴がいるだろうか?私なら、そうはしない。書くとすれば名前だろ。ということは、残された文字はそうは見えなくても、やはり犯人の名前をあらわしているんだ。私はPalm上で頻繁に入力する必要のある人間は、ユーザー辞書に登録している。たいていはイニシャルだが、すでに違うモノにその文字を割り当てていた場合は、そういうワケにもいかない。そのヘンにヒントがありそうな気がして、もう一度あのダイイングメッセージを見てみると、私の目にはこう見えた」



 「1文字目をさらに左に90度回転させただけだ。それだけで、あの意味無く見えた記号が、ショートカット記号とLになる。単語登録よりショートカットのほうが、変換する必要がないし、入力の手間がはぶけるから被害者は多用してたのかも知れないね。そのせいで犯人の名前のイニシャルは、すでに他で割り当てられていて使えなかった。しょうがなく…そう、例えば名前に含まれる"長"という漢字から"Long"をイメージして、ショートカットのLに犯人の名前を割り当てた。以上が私の推理だが、どこかに無理があるだろうか?」
 語り終えたぱーさんは、ふたりの顔を交互に見る。
 静かに首を振るふたり。
 「それが正解でしょう」
 「今の話で犯人は誰だか分かったと思うが、これはあくまでも私の推理の域を出ない。確かめるために、えむ君。被害者のPalmのメモ帳で"ショートカットのL"を入力してくれないか」
 慌ててPalmを取り出し、スタイラスをGraffitiエリアに走らせる、えむ君。
 そこに表示された文字は…。
 "長野瞬"
END



初採用の投稿は意外や意外、本格的な推理物!
グラフティ文字のダイイングメッセージから犯人を推理させるという
アイデアがすごく新鮮でした。
とにかく読み応え抜群やったで〜。
スタッフの評価も高得点が続出でしたよん。
そして、PAG-Jにこのような投稿があっただけでも素直に感動!
そんなsingoさんにはあほ星4つを差し上げます。
さあ、皆さんもsingoさんに続け!

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2001.01.23 超初心者ゴンザレス 第十話
「保護すべきもの」
え?ジジイ?@ノキアン・パーム(仮称)


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



・・・ここは新宿高層ビルの一角にある権三の事務所。
「ふっふっふ〜。やはりパームは良いのう。」
COACHのケースに収まったVxを手に、権三は先日購入したXbarrでスケジュール管理とToDoのチェック、そして思いついた事のメモ書きを行っていた。
それまで権三はキーボードで入力するほうが簡単だと思い、スケジュール管理などは全てPalmDesktopで行っていたのだが、第8〜9話の散財によって、直接パームに書きこむほうが便利であると思うようになっていたのである。
それだけPalmに慣れて来たと言う事かもしれない。

一方珈琲はと言うと・・・。
「さて、ここからは神経を研ぎ澄ますだよ〜。念動集中・・・T−LINKフルコンタクト〜!」
どうやら何らかの作業に集中している様である。
見れば愛用のPrismの液晶面にクレジットカード大のプラスチック板を押し付けている様である。
「そ〜っと。そ〜っと・・・」
少しづつプラスチック板を動かして行く。

・・・と、その時。
「おい、コピ。何しとる?」
「うわぁ!」
不意の権三の発言に驚いた珈琲は、弾みでプラスチック板を一気に動かしてしまった。
「何やってんだ、コピ?お前のパームに板なんぞ押しつけて。」
「あ〜あ〜あ〜(ToT)空気が入った〜〜〜。やりなおしだ〜〜〜〜よ〜〜〜。」
「だから何をやっとるんだって、聞いてるんだよ。」
権三の声が段々低くなる。しかし珈琲はそんな事にも気付かず目の前で起きた出来事に泣くのみであった。
「せっかく液晶保護シートを買ったのに〜。高かったのに〜〜〜。」
「だから何をやっとるんだと聞いとるのだぁぁぁぁ!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァァンチッッ!!」
厚さ400mmの鉄板をも打ちぬく権三の鉄拳が珈琲の背中に炸裂した!
「ごぎょぉぉぉぉ・・・。更に威力が増してるぅぅぅぅ。」
のた打ち回る珈琲を尻目に、権三は珈琲のPrismを手に持った。
見れば、Prismの液晶部分の上から何やら薄い透明なフィルムが貼ってあった。

「コピ、これは何だ?」

「痛たた・・・見てわからんかね?フィルムだよ。」

「だから何のフィルムなのだ?」

「保護フィルムだよ。」

「・・・何の?」

「・・・分らんかね?」



「貴様一人だけ分かった振りをするのは気に食わんわぁ!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァンチッッ!!」
厚さ160000mmの鉄板をも打ちぬく権三の鉄拳が、またもや珈琲の顔面に炸裂する。
「ぎゃふ〜ん!威力が二乗増しになっているぅぅぅぅぅぅ〜。」
珈琲は権三の鉄拳の威力に吹き飛びつつも、かろうじて高層ビルから吹き飛ばされる事は免れた。

「ううう・・・、それはPalmの液晶面を保護する「writeRight」と言うシートだよ。液晶剥き出しの画面をスタイラスでがしがし突っついたり書いたりしていたら、液晶に傷がつくので開発されたもんだよ。通販なんかでも売ってたはずだけど・・・。」
「え?普通に使っていたらあのパームに傷がつくのか?」
権三は珈琲の発言に驚いた。
「まあ、実際に液晶面に傷がついてる人もいるそうだから、なるべくなら貼っておいた方が良いけどねえ。」
「それ、メーカー製なのか?」
権三はPrismに貼ってある液晶保護シートを眺めながら尋ねた。
「純正じゃなくてサードパーティ製だけど、信頼性は高いよ。結構Palmを扱っているショップでは売ってるところが多いね。」
「何でメーカーがその辺サポートせんのだ?液晶交換なんて高いじゃないか。」
「さあねえ。その辺はサードパーティにまかせてるのだと思うよ。」
珈琲はPrismの液晶保護シートから必至に空気抜きをしつつ答えた。
「ふむ、わしのVxもそう言うのがあると何かパーフェクトになったような気がするのう。コピ、一枚よこせ。」

「へ?」

「だからよこせと言うておるのだ。何、形が合わなきゃ切れば良い。」

「自分で買えよ。その手の店で売ってるから。」

・・・しばしの沈黙。そして・・・。

「よぉぉぉこぉぉぉさぁぁぁぁぬぅぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁ!!!」
取っ組み合いのすえ、権三はようやく一枚ゲットする事に成功した。
その後では、珈琲がぼろ雑巾の様に横たわっている。
「ううう、もういやこんな生活〜(ToT)」

「さて、わしのVxにも貼るとするかのう。」
権三は、珈琲から無理やりwriteRightの貼り方を教わると、Vxに慎重に貼り始めた。
もう少しで貼り終わると、その矢先、権三の鼻に埃が入った。
「イックシュン!」
まるで加藤茶張りのくしゃみをした権三は、その瞬間凍りついた。

そう、彼のVxもまた液晶とwriteRightとの間に空気が入ったのである。


(第10話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にほぼパーフェクトな仕様となった権三のVx!
しかし、そんな権三の前にVxの根本的な問題が立ちはだかる!!
まだ何か買い忘れているのか、権三!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「電源を確保せよ!」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!



これが勝利の鍵だ!(TravelKit)

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2001.01.24 Palmの世界 その6
【Stampede】
ますだあきら@Palm/Pilot Race


これまでのあらすじ:
モノクリ夫の誘いに、つい、待ち合わせ場所に来てしまった、Visor子。
しかし、そこに展開されたのは言葉のとおり『修羅場』であった。
彼女を巡る3人の男が鉢合わせしてしまったのだ。その場にいられなくなった Visor子は夜の街を彷う。
そして、Prism子の奸計によって、それがされたのだと彼女自身の口から聞かされることになる。

 会議が終った。
 その日はとても重要な内容のものだったのだが、Visor子は「心ここにあらず」で、ずっと他のことを思っていた。たまに対角に座っている m100夫の視線に気がついたが、目を合わせることはできない。
 上司たちが先に退出し、Visor子はホワイトボードに書かれていた文字を消すと、資料を持って会議室を出ようとした。
 腕をつかまれる。
「なに?」彼女をその場に留めたのは m100夫だ。
「ちょっと、話があります」
「私は無いわ」
 しかし、m100夫はその手を離さない。
「なんなのよ、一体」
「あなたが、Vx夫さんとの関係が無くなったと分かった以上は・・」
「どうだっていうの?」
「ボクも黙っているワケには行きません」m100夫はそこまで云うと移動して、後ろ手に部屋の鍵を掛けた。
「・・なにが云いたいわけ?」

「確かにアナタから見れば、ボクは何もできないオトコ(Palm) に見えるかもしれないけど」
「そんなこと・・」
「Vx夫さんに安心して任せられないと分かった今となっては、アナタを幸せにできるのはボクしかいません!」
 そう、鬼気迫る表情でつめ寄る m100夫。
「じゃあ、一体なにができるっていうの?」ついそう訊いてしまう、Visor子。
 m100夫はくるりと後ろを向くと、ゴソゴソとなにやら取り出して・・
「ホラ」振り返る。
「・・・フェイスプレートを変えたのね」
「はい、アナタの好みの男にしてください」
「・・それだけ?」
 室内を、冷たい風が吹き抜けた。

 その