超初心者ゴンザレス


Written by H"G

2000.12.07 「超初心者ゴンザレス」
 初回予告



君達に最新情報を公開しよう!

Palmを買ったは良いけれど、未だにパソコンと接続できないユーザーは数多い。また、「メモリが少ない」と折角のPalmを中古市場に売りに出し、新たにザウルスやPocketPCに乗り換えてしまうユーザーも多いと聞いている。

そんなユーザーの為に、PAG−Jメンバーの中でももっとも初心者に近き者(注:自称)「え?ジジイ?」がPalmの面白さを伝えるべく新たなストーリーを開始する。

新企画「超初心者ゴンザレス」第一話「紙と電子手帳と」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!

2000.12.08 「超初心者ゴンザレス」第一話
 「紙と電子手帳」


超初心者ゴンザレス
(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



ここは丸の内のビル街の一角・・・。
「ぬう・・・」
権三は書きこみ過ぎて真っ黒になった、去年購入したご自慢のファイロファックスの予定表を眺めながらつぶやいた。
「おい、秘書のコピ、これでは次の予定がわからんではないか。貴様、わしの今日の予定は把握しておらんのか?」
権三は傍らの曾孫で秘書の珈琲に苛立ちつつ尋ねた。
「なんでもっと早く聞かないかね?今聞かれたって、おいらもわからないだよ。」
珈琲は尋ねる権三の目を見ることなく、そう答えた。
「貴様、それでもわしの秘書か!くらえ、正義の鉄拳!!ゴォォォンザレスゥゥゥ・パァァァァンチッ!!!」
「ぎゃぶぅ!」
厚さ20センチの鉄板を一撃で砕くと言われる権三の鉄拳を受け、くるくると宙空高く舞い上がる珈琲を尻目に、権三は次の予定を確認するため、自分の事務所に電話をかけた。
今や誰も持っていないであろう肩掛け式の携帯電話で、である。
もっともこの携帯電話は真のモバイラーを目指す権三の密かな自慢でもある。
ちなみに現在は2000年12月なのだが・・・(^^;; ヒヤアセ
「もしもし、こちらゴンザレス。次の予定はどうなっておる?」
「え、いまどちらに??」
事務所の声は慌てていた。
「どちらもこちらもないわ!次の予定をさっさと教えんか!!」
「は、はいっ!11:00よりA社にてネゴシエイト業務の入札参加となっております!!」
権三の怒鳴り声に、事務所はすぐに次の予定を報告した。
「ちっ!ここから10分の会社か。コピ、いつまでそこで伸びておる!とっとと起きんか!!」
呼びかけつつ、権三は目的のビルに向かって走り出した。
「・・・まったく、人使いの荒い爺だよ。」
つぶやきつつ、珈琲ものっそりと起きあがり、後を追う。

そして10分後・・・。
「よし、間に合ったか。ぬ?あの声は??」
目的地についた権三の前にいたのは、なんとライバルのえ?ジジイ?であった。
「おや、権田原の。今ごろ来たのか?もう入札は終ったぞい。」
ジジイは誇らしげに、権三に対してそう告げた。
「お、おのれ〜。予定表さえ把握できておれば〜。」
予定表が真っ黒なファイロファックスを手に悔しがる権三に、ジジイは畳みかける様にこう言った。
「のう、権田原の。いまどき予定表をPDAで確認できぬ様では、ネゴシエイターは勤まらんぞ。せめてそのファイロファックスのバックアップとしてPDAの一台くらいは常に懐に忍ばせるべきだのう。では、また会おう。」

悠然と去って行くジジイの姿を横目で見つつ、権三は歯噛みした。
「お、おのれ〜。真のモバイラーを目指すこのわしが、あんなモバイルの何たるかも知らぬ男に負けてたまるか。ジジイめ〜、覚えておれよ〜〜〜。」
拳を握り締めつつ権三はそうつぶやいた。

(第一話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
入札不参加と言う敗北を機に、真のモバイラーを目指す権三は新たなる武器「PDA」に着目する。
しかし、目的を絞らずに情報を集めた権三はその物量の前にやる気をなくしてしまう。
果たして権三はPDAを買おうと決心できるのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!!
「グローバル・スタンダード」
来週もこのHPでファイナルホットシンク承認!!


これが勝利の鍵だ!!(世界○見えテレビ特捜部)



2000.12.11 「超初心者ゴンザレス」第二話
 「グローバル・スタンダード」


「超初心者ゴンザレス」
(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



・・・ここは権三の勤めるオフィス。
入札に間に合わず悔しい思いをした権三は、自分のデスクに戻ると、手にしたポーターのナイロン鞄から、PDA関係のパンフレットを机の上にどっかと載せた。モバイル関係の雑誌も合せると相当な高さになる。
「ええいっ!ピーディーエーっちゅうんはこんなに種類があるんか!!」
権三は仕事関係のコネクションをフル活用して集めたパンフレットの山の前で吠えた。
「どこから手をつければいいんだか・・・。」
ううむと、腕組をして考える権三。
「そもそも、そのピーディーエーって言うので何したいのだね?」
お茶を持ってきた珈琲が、そう尋ねる。
「あのジジイさんは、予定表とか入れとった様だけど・・・。」
「それよ。まずはスケジュール把握。そしてアドレス帳、そしてメモ。後は懸案事項が一発でわかれば良いのだが・・・。」
権三はパンフレットを見ているようでいて、実は右から左に流していた。
何せ色々な事柄が書いてあるものだから、どれが決め手になるのかわからないのである。
「ぐむー、ディフィカルトー」
権三はパンフを見るのに飽きたのか、事務所のテレビのスイッチを入れた。
「ほほう、世界ま○みえテレビ特捜部か。ん、なんじゃあれは?」
見れば、誘拐事件関係のネゴシエイターの特集であった。
そしてそのネゴシエイターがクライアントとの交渉時に手にしていたのは薄くて黒い前方後円墳の様なシルエットの電子手帳であった。
「コピ!なんだあれは!?」
「はて、なんだろうね?外国の電子手帳の様だけど・・・」
「これだ!」
「え?」
「あちゃら(海外)のテレビの特集番組に出るくらいだ。あの電子手帳はきっとあちゃら(海外)でスタンダードな物に違いない!いや、きっとそうに決っておる!!」
次にはきっと『コピ!これを調べい!!』と言われるに違いないと思った珈琲は、権三が陶酔している間に、とある人物に電話をかけた。
「もしもし、こちら善良な一市民だけど、ちょっと聞きたい事を教えてプリーズ。」
「おや、その声は権田原のところのコピさんだね。どうした?」
電話の相手はえ?ジジイ?であった。
「どうもうちの権三がいつもお世話になってます。実は赫赫云々・・・」
「ははあ、そうかそうか。それは良い物に目をつけなすった。あれはPalmと言うてな。最大8MBのメモリの中に色々と仕事の役に立つWareをいれておく事が出来るとても優秀な機械じゃよ。」
「ジジイさんもお使いなのですか?」
「まあ、わしも色々と使ったが、あれが一番わしの使い方にあってる様じゃ。とは言え、人それぞれ使い方は異なるし国産機でも良いPDAは沢山ある。ま、くれぐれもこう言うものは慎重に選ぶが得策じゃよ。休みの日に3カメ等を回って見るとよいぞ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
受話器を置き、ふと権三を見ると・・・
「ふっふっふ・・・歩のない将棋は負け将棋。まさに、あのような電子手帳こそが、モバイルネゴシエイターを目指すわしにはふさわしい。」
既に前方後円墳をどうにかしたようなシルエットの虜になっていた。
「そう、あれこそがグローバル・スタンダード!!いずれ外人とも交渉するこのわしが外国製品を使えずしてどうする!?」
理由はなんとでもつくものである。そんな権三に対し、国産機にも良いのがあるようだよと言って、本日二度目の鉄拳をくらう気には珈琲はなかった。
「爺、あれはパームって言う名前で新宿のカメラ屋なんかで売ってるらしいだよ。」
「何!?本当か!!」
珈琲の言葉に権三は目を輝かせた。

(第2話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂に何を購入するか決めた権三。
しかし、彼の前にはPalmと言う名の英語がたちはだかる。
果たして権三は自分がほしいと思った前方後円墳の様なPDAを購入する事が出来るのか?それとも全然違うPDAに行ってしまうのか??
「超初心者ゴンザレス」NEXT!!
「Palmとパーム」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!


これが勝利の鍵だ!!(PalmComputingの初期画面)



2000.12.14 「超初心者ゴンザレス」

 インターミッション


さて、求めるPDAが「パーム」と言う名前だと判明した権三氏。

しかし、彼はある事で悩んでいた・・・。

「ぐむー、3カメとはなんじゃらほい」

「3カメというのは、大都市近郊にある家電製品の量販店の事だよ。結構良いものが安く売ってる事も多いね。」

珈琲の発言にも権三はあまり良い顔をしない。

「うーむ、わしのようなエグゼクティブがそんな所に行っても良くわからんの〜。そうだ、奴に聞いて見るか。もしかしたら只で「パーム」をくれるかもしれん。」

権三は徐に肩掛け式の携帯電話に手を伸ばした。

とあるところにダイヤルする。

間延びした声が聞こえてきた。

「誰や〜、こんな時間に〜。せっかく膝枕秘書にイイコトしてもろとったに。何処のあほや?」

「良い口利くのう。われ、いつからそんなにえらくなりおった?」

「こ、これはゴンザレス様!?」

電話の向こうの間延びした声が一気に緊張する。

「おまえ、よもやこの前のPL法絡みで訴訟沙汰になりそうだったところを処理した案件忘れておるまいな?」

「そ、それはもちろんでございます。ゴンザレス様。して本日の用向きは?」

「うむ、他でもない。汝の力を借りたい。」

「はっ、何事でございましょう?」

相手の質問に一呼吸置きつつ、権三は答えた。

「お前の所で「パーム」は扱っておるか?」

「は?」

「だから、「パーム」は扱っておるかと聞いておるのだ。天下の松下だ。よもや扱ってないとは言わせんぞ。確か貴様の会社は、エポックとか言うOSに手を出して北欧のエリクソンとも近づいていると言うもっぱらの噂だったな。」

「い、いや・・・その件はちょっと・・・」

電話の相手は声を潜めた。どうやらあまり触れられたくない事項のようだ。

「まあ、いい。用向きは他でもない。「パーム」を扱ってたら一台こっちに回せ。無償で長期使用のレポートを書いてやる。その代わり本体・諸経費は全てそっちもちだ。」

「え?」

「まさか嫌とは言うまいな〜?あ〜??」

権三の声が一段低くなる。

「はっ、わかりました。早速直ちに!!」

電話の主は慌てて電話を切った。

「これで良し。あとは果報は寝て待てと言うところだな。」

権三は電話の結果に満足しつつ、受話器を置いた。

「・・・松下・・・あそこってパームでなくて、ナショナルパームでなかったかね?」

珈琲の不安は翌日現実のものとなる。

翌日・・・

「はい、天下の松下伝奇産業です。」

「・・・好之助平につなげ。」

受付のOLの明るい声に対し、電話の主はドスの効いた声であった。

「ゴンザレスといえばわかる。」

「は、はいっ!・・・こちら交換台です。只今社長に繋げと鬼の様な声の方が・・・」

こちらは社長室。好之助平が膝枕秘書にイイコトをしてもらっているところである。

「はう〜。この耳掃除がサマランチ・・・じゃなくてたまらんの〜。」

「御前!」

「な、なんや。イイコトしとる間は誰も入るな言うとるやろ。お前300年無給。」

突然入ってきた側近に、人生でもっとも楽しい瞬間を邪魔された好之助平は言い放った。

「いや、緊急です。ゴンザレス様から外線が入っておるとのことです。」

側近の口ぶりにただならぬ状況を察知した好之助平は、すぐに電話に出た。

「いや〜どうも先生にはいつもお世話になっております。松下ですが〜・・・」

「貴様、あれのどこが「パーム」だ?あん?」

権三の静かな怒りが伝わってくるようであった。

「へ?先生のご要望通り我がナショナルが世界に誇るパームをお送り致しましたが・・・。」

「ほう?わしには送られてきたものが「パソコン」「電動マッサージ椅子」「カメラ」にしか見えんが?どうやらわしの認識が間違っていると言いたい様じゃのう??」

権三の声のトーンが一段下がった。

ただならぬ状況に、好之助平も食い下がる。

「いや、ですから、先生のおっしゃった通りわが社のナショナルパームを・・・」

「ぶっつぶす!覚悟しておけ!!」

プツン、ツーツーツー。

「・・・一体、何を怒とんのや。相変わらず短気なお方やのう」

権三が何故怒るのかもわからず、好之助平は首をひねった。

「さあ、私もさっぱり・・・」

側近も首をひねるばかりであった。

・・・後に、権三の仕掛けた罠にはまり、松下伝奇産業は権三に多額の賠償金を支払う事になる・・・が、それはまた別の話である(+_+)\バキッ

(インターミッション終了)



2000.12.18 「超初心者ゴンザレス」第三話
 「Palmとパーム」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



・・・ここは新宿東口付近。
最近では「西の秋葉原・東の新宿」と呼ばれるくらい(本当か!?)メジャーな電気街である。
昨日の珈琲の情報を基に、権三は、仕事を早々に(半ば強引に)片づけ、所謂3カメと言う俗称を持つ、家電量販店を色々と巡っていた。
「この3カメってのは広いところだね。一つの街みたいなもんだよ。」
人の多さに辟易しつつ、珈琲がぼやいた。
「うむ。実に広い。これでは何処に何があるかさっぱりわからん。そこの店員を呼び止めよう。」
権三もいい加減歩くのに疲れていたこともあり、近くで呼び込みをやっていた店員を呼びとめた。
「ちと物を尋ねたい。パームがほしいのだが何処にあるのかね?」
「あ、Palmですか?それならこの先のOA館(やかた)で売ってますので、どうぞお立ち寄る下さい。」
店員は営業用のスマイルを浮かべつつそう答えた。
「うむ、この先か。感謝する。後は行くのみ!」
権三は、店員の回答に意を決し、OA館(やかた)に向かった。

そして、OA館(やかた)・・・。
携帯電話や電子手帳などを求める客がごった返し、足の踏み場すらない。
「ぬう、これでは何処にパームがあるかわからんではないか!」
苛立つ権三を見かねて、珈琲がOA館(やかた)の店員を呼びとめた。
「あのー、ちょっとお聞きしたいのですが、パームってどの辺に置いてますかね?」
「あ、パームですね。こちらにございます。」
近くにいた、「Handspring」と書かれた法被を着た店員は珈琲の問いにそう答えると、権三達を『Palm売り場』と書かれた場所へ案内した。
「今ですとソニーのクリエとかハンドスプリングのバイザーがとっても人気ですよ。拡張性から行くともちろんTRGProもお勧めですが、これは玄人向けと言った感じの市場評価も流れてますし、今でしたらバイザーが値段もお安く、お求めやすくなっております。まあ、Palmと言っても・・・」
権三は親切丁寧にPalmOS互換機について説明する店員の話を聞き流しつつ、珈琲に尋ねた。
「おい、コピ。」
「なんだね?」
「クリエってパームなのか?」
「さー、私にはさっぱり。クリエって名前だからパームとは違うような・・・。」
「それにとんぼがえり(ハンドスプリング)の面帽(バイザー)ってのは何だ?」
「さー、やはりトンボなだけに一応文具とは思うけどよ。」
「うむ、さっぱりわからん。わしが昨日テレビで見たパームってのは一体どれなんだ?」
各種あるPalmOS互換機を前に、権三は混乱するばかりであった。
と、説明を一通り終えた店員が、権三に向き直った。
「いかがなさいますでしょうか?」
「え?うむ・・・で、どれがパームなんだ?」
説明を聞いてなかった権三は、とりあえず昨日テレビで見たパームを出してほしいと思い、店員に尋ねた。
「え・・・?(^^;; ヒヤアセ」
店員はあせった。それはそうだろう。彼が説明したのはどれも皆PalmOS互換機なのだから。
「だからどれが「パーム」なんだ??」
権三は、店員が聞き取れなかったのだろうと思い、再度尋ねた。
「あ・・・、あの、こちらの商品はどれもPalmOS互換機でして、どれもPalmなんですが・・・。」
店員は権三が大きな勘違いをしている事に気付かなかった。
「名前が違うじゃろ。バイザーとかクリエとか、てぃーあーるじーとか。わしがほしいのはパームだと言うとるのがわからんのか?」
権三の語気が強くなる・・・。
「いや、ですから、こちらの棚はポケットPCでなくてPalmのコーナーでして・・・」
店員はなんとか、Palmについて権三に理解してもらおうと説明をはじめたが、それを遮るように、権三の怒鳴り声が店内に響いた。
「やかましいわ!!人が物を知らんとごちゃごちゃ訳のわからん横文字並べおって!!!わしは「パームをくれ」と言うておるのじゃ!!御託ならべんとさっさとよこさんかドあほ!!」
「ひ、ひぃ・・・。」
怯える店員。しかし、店内の客は特に気に留める様子もない。
こう言う事は、家電製品の店ではたまにある事だからだ。
しかし、さすがに気が咎める珈琲は、ふとバイザー等が陳列されている棚の隅に、昨日見たのと同じスタイルの「パーム」を見つけた。
権三の肩を叩きつつ、「パーム」を指差す。
「爺、あんなところに「パーム」があるだよ。」
「うむ?」
権三は珈琲の指差す方向を見た。
確かに昨日誘拐事件専門のネゴシエイターが使用していたのと同じスタイルの「パーム」が確かに飾られていた。
「なんじゃ、あるではないか。うむ、英語だがPalmと確かに書いてある。ほほう、ファイブエックスと言うのか、これは。さっさとこれを出せば良いものを。おい、店員。」
Vx日本語版を手にご機嫌になった権三とは対照的に、店員はすっかり怯えきっていた。
「ふぁ・・・ふぁいっ!!」
直立不動で構える店員に、やおら権三は尋ねた。
「これは何時間動くのだ?」
「い、一応公称ではニ週間は動くかと・・・。」
上ずった声でそう答える。
「なぁ〜にぃ〜〜〜!!!」
権三の声のトーンが一段下がる。
「ひ、ひぃ・・・」
又怒鳴られるのかと、店員は首を竦めたが・・・
「凄いではないか!!貴様何故この商品をもっと宣伝せんか!?」
店員の肩を叩きつつ、権三はVxを褒めちぎった。
「爺、こっちに色付のもあるだよ?」
打って変わって上機嫌な権三に対し、珈琲は「Vc」と書かれた商品も指差した。
パグシャァ!!
瞬間、権三の鉄拳が唸りを上げて珈琲にヒットした。
「ばか者ぉぉぉぉ!モバイルにカラーは邪道!!モノクロで勝負するのが真のモバイラーと言うものよ!!」
権三はVxを手に見栄を切りつつ言い放った。
しかし、珈琲も負けてはいない。立ちあがりつつレジの方に目を向ける。
「あそこでカラーモデルで大騒ぎしてるのがいてもかね?」
「何?」
ふと見ると、奥のレジにえ?ジジイ?がいた。
「何、ここプリズムの予約やっているとな!?よかろう!!予約じゃ!!ここのところまた良くわからん残業続きじゃから見ろ!!わしのストレスゲージがレッドゾーンを突破しておるわ!!今すぐ予約するからさっさと予約票をよこさんか!!」
レジ横の「Prism予約承ります」の札に興奮し、鞄から即座にペンを取り出すえ?ジジイ?であった。
ペンを取り出す前に、誤って「クロスバーWitnクロスボールペン」を取り出したのは、サービスかご愛嬌か・・・(^^;; ヒヤアセ

その姿を見て、権三はかぶりをふった。
「よりにもよって、こんな時にあやつの姿を見るとは・・・。コピ!とっととここから出るぞ!!と、言う事でわしはこのパームを買うぞい。」
「か、かしこまりました。」
権三に急かされて、店員は新品のVxを陳列棚の下から出そうとした。
と、そこへ・・・。
「いやー、またこれであっしのストレスゲージがゼロになったの〜。おや権田原の、どうした?Palmを買いに来たのか?」
予約が出来て上機嫌なえ?ジジイ?は親しい仇敵の姿を見つけからかい半分に声をかけた。
「ちっ!嫌な時に会ったものよ。そうともこの馬鹿がなかなかパームを売りよらんから叱ってやったところじゃ。」
権三の言葉にジジイは首を捻る。
「え?だってここに誘導してくれたんじゃろ?親切な店員じゃないか。」
「ふっ、お前はわかっとらんな。赫赫云々」
「あほはお主のほうじゃい。よー見てみぃ。どれもPalmComputingの初期画面が出ようもん。」
ジジイは、なれた手つきで、陳列棚のPalmOS互換機をソフトリセットして行く。すると、権三の手の中のVxと同じPalmComputingの初期画面が現れた。
権三、各PalmOS搭載機を触りつつ・・・
「ぬぅ・・・。」
「まったくそんな事もわからんで買いに来よったんか。どうしようもない阿呆じゃのう。ちっとはその手の本見て勉強せんか。」
呆れつつ、ジジイは権三に語り掛けた。その横で店員もジジイの言葉にうなずく。
「ぬぅぅ・・・退却じゃ!!店員、このパームの代金じゃ!受けとれい!釣りはいらん!!」
「え?ちょちょっとお客さん困りますよ〜。」
いきなり大金を渡され店員も戸惑う。
権三は立ち去りつつジジイに向かって叫んだ。
「ジジイ、覚えておれ〜!この借りはきっと返してくれるわ〜!!」
権三は逃げるようにOA館(やかた)を後にした。
手には先ほどのVxを持って・・・。

「お、お客さ〜ん!!それモックですよ〜!!」
店員の声は既に権三には届かなかった。

(第3話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
何とかパームを手に入れた権三。
しかし、他のPDAと比較することなく入手したパームは果たして権三を満足させる事ができるのか!?
それとも、やはり他のPDAに買い換えてしまうのか?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「Palmへの挑戦」

次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!

これが勝利の鍵だ!(月刊アスキー2000年12月号)



2000.12.21 「超初心者ゴンザレス」
 インターミッション2


さて、OA館(やかた)から権三達が立ち去って、数時間後の事・・・。

「まったく、店頭にあるものつかんで持ってく馬鹿がおるかね?今時小学生でもせんと思うよ。」
ぶつぶつ愚痴を言いながら、珈琲が戻ってきた。
そう、本物と間違えてモックを持っていってしまった事に気付いた権三に珈琲は「交換して来い」と言われたのである。
「まったく恥ずかしいったらありゃしない。」
そう言いつつ珈琲はOA館(やかた)に入って行った。

相変わらずOA館(やかた)は混んでいた。
そこで珈琲は先ほどの店員を見つけ、声をかけた。
「あの、すみません。先ほどご迷惑をおかけした権田原の秘書ですが、Vxの交換に伺いました。」
「あ、先ほどの方ですね。お待ちしてました!」
「Handspring」とロゴの入った法被を着た先ほどの店員がにこやかに対応した。
「・・・タフですなあ、あなた。」
珈琲は思わず感心してそう言った。
「いやー、良くある事ですから。その場はちょっと大変ですけどお客さんも入れ替わり立ち代りですし。あ、これお買い上げのVxです。どうぞ。」
店員はそう言ってVxを珈琲に渡した。
「いや、すんません。」
「それと・・・権田原さん、お釣りなんですが・・・。」
「あ、あれ?良いって。店をお騒がせした迷惑料として取っといて下さい。どうせ、うちの事務所安い人件費と高い交渉費用でぼろ儲けですから。」
「いや、いくら何でもVx1台に×0万円なんて、どう考えても・・・(^^;; ヒヤアセ」
そりゃそうだ。店員からすれば収支が合わないことこの上ない。
「ま、そうだがね〜。何せあの親父、100万以下は端金らしいから、オーバー分はあんたのポケットマネーとして受け取っといてよ。」
珈琲はと言えば早く帰らないと権三が怒り出す事がわかっているので、ぞんざいに答えるのだが・・・。

「いや、でしたら、何かお好きなPDA選んでって下さい。」
「え?本当??」
店員の思いがけぬ提案に珈琲も乗り気になる。
速攻で陳列棚をグルグル廻る珈琲。
「うーん、どれも良さそうだけどねー。あの爺はテレビで見た「パーム」に御執心だけど、中身はどれも一緒なんでしょ?」
「ええ、まあ、そうですね。ちょこちょこっと違いはありますが・・・。」
痛いところを珈琲に突かれて、店員も言葉を濁す。
「かと言って他のPDAも変わり映えしないしねー。最近話題のザウルスも、別にキーボードがついたから何?って所だしね。最初に買うPDAがザウルスでなければあの機種もそれほど意味なさそうだし、CEはCEでヒューレットパッカード以外はどれも十把一絡げで変わり映えしないし。PDAで電子メールするのもよほど出張が多いとか言うのでなければ意味なさそうだし、うーん、おいらとしてはあまり持たなくて良さそうだが・・・。」
案外珈琲も詳しかったりする(^^ゞ

「あのさ、パーム同士でデータのやりとりってできるの?」
「あ、できますよ。赤外線通信で予定のバックアップとか別に違う機種でも今のPalmなら大丈夫です。」
店員は珈琲の問いに軽く答える。
「ほへー、そうなん。そしたらさ、さっきジジイさんが予約してたPrismってのが良いかな?」
「あ、それでしたら、たった今入荷しました。丁度予約分以外でお一人様分だけ店頭にお出し出来るのがありますが・・・」
「ふーん、じゃ、それにしようかな?ジジイさんと一緒の機種なら色々聞き易いし。・・・とは言ってもな〜、おいらが買ったとなるとあの爺の事だから多分予定表作成とかおいらにやらせるのだろうしなあ。」

・・・この時点で珈琲もまたPalmな世界に足を踏み込んだ事となる。

その後、Prismを買ったことが権三にばれて、珈琲は散々な目に会うのだが、それはまた別の話である(+_+)\バキッ


2000.12.27 「超初心者ゴンザレス」 第四話
「Palmへの挑戦」

(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。


・・・ここは権三の自宅。既に時計は昼を回っていた。
昨日新宿で買った「パーム」を前に、権三は目を丸くした。
「これだけなのか?」
Vxの箱の中には説明書の他にCD−ROMくらいしかなかった。あとはクレードルとかコンセントのみである。
「お〜い、コピ、以前松下さんところからもらったパソコンあったろ。あれの箱はどうした?」
呼びかけられた珈琲はと言えば、昨日OA館(やかた)から立ち去った後、手にしたVxがモックだと気づき、再度郊外にある権三宅から新宿まで交換に行かされた事から、まだ寝こけていた。
「おい、コピ!」
「う〜ん、むにゃむにゃ・・・もう食えません・・・」
権三の呼びかけに対し、珈琲は王道とも言うべき寝言で返した。
「むう、仕方あるまい。自分で探すか・・・。」
さすがにVxを取りに行かせた事に後ろめたさがあるからか、権三は珈琲をそのままにして、パソコンの箱を探し始めた。

1時間後・・・。
「ええいっ、こんな事なら余計な仏心など起こさねば良かったわい!」
埃だらけの物置から、埃のたまったパソコンの箱を取り出した。
中を開けて見る。
「・・・そうだよなあ、普通。」
権三は一人納得していた。
普通、パソコンを買うと箱の中には付属のソフトやプロバイダー勧誘のチラシなどが山の様に入っているものだが・・・。
「こりゃ、本当にシンプルと言うか何と言うか・・・。」
改めてVxの箱の中を見直し、そのシンプルさに幾ばくかの安心感と同時に不安も出てくる。
「他の機種だと色々とついて来るんだよなあ。」
買う前は見る気もしなかったパンフレットを見直すと、CE等のPDAは付属のソフト等がこれでもかと言うくらい入っている。いわば、子供の頃買ったお菓子のおまけみたいな物で、あればなんとなく満足感が得られると言う程度のモノなのだが・・・。
「なーんか、勢いで買って失敗したかな〜。」
キーボードで入力できるPDA等では、メモリもVxの8MBに対して最低でも16MBはあったり、色々とユーティーリティーを満足させるソフトがふんだんに付属していたり、スタンドアローンで電子メールの送受信すら可能であった。
「うーん、同じくらいの費用をかけるなら、やはりこう言うのにすればよかったかいな?」
何となく不満のたまる権三は、ふとえ?ジジイ?はどうしてパームを買ったのかと気になってきた。
「確か、奴は昔他の機種を使っていたはず・・・。何故このパームと言うのにはまったのかの〜??」
思い立ったら聞くしかない。しかし、正直に教えを請うのは恥ずかしい。何せ権三はいい年をした大人だから。
「ぐむー、こうなったら、声真似で行くか。」
権三は鼻をつまむと”あー”と声を出してみる。
「よし、何か近い声だぞ。こう言う時、テレビ電話がまだ普及していないってのがありがたいの〜。」
自信を持って、ある所へ電話を入れる。
「はい、え?ジジイ?ですが。」
「あ、ジジイさんですか?うちの権三がいつもお世話になってますです。」
「・・・おやコピさんかい?何か声の調子がおかしいが風邪かい?」
「えー、あー、まー、そう言う事で。」
声の調子がおかしいと言われ、権三はあせる。ここでばれてしまっては面子に関わると考え、速攻で質問に入った。
「ところで、ジジイさんは今もパームをお使いですよね。」
「ああ、使っとるよ。今までいろんなPDAを使っていたが、今はこれ一本じゃな。大体こういうものにGショックのような耐久性はいらんし、ゴウジャスな機能も実はいらなかったりするのだよ。何でかわかるかね?」
「さあ?さっぱり。どうせ買うならいろいろついてるほうがお得な気がするだが。」
権三は正直な感想を述べた。
「まあ、最初はそう思うのだがね、結局PDAの機能はそう使うもんじゃない。実際仕事で毎日使うのはスケジュールとメモ帳くらいでな。」
そこで一息おくとジジイはこう告げた。
「そう考えるとサイズ的にもパームのサイズくらいがわしにはちょうど良いのだよ。ま、それとパームには、それに関わるユーザーについての面白い話しが多くてな。ちょうどいい。どうせ権三さんの事だ。テレビか何かでパームを見つけて「これが良い」って思ったんだろう。まだ本屋で売っているだろうから、月刊アスキー2000年12月号の中に機長と言う人のコラムが載っておる。それを読んでみい。その上でやはり他のPDAに行くならそれはそれで構わないとわしは思うよ権三さん。」
「うむ、分かった。読んでみるとしよう・・・あ(^^;; ヒヤアセ」
「まあ、わしも随分悩んだが、やはりパームはそれに関わる人が面白いと、それがあればこそ、使い続けられると、そう思うよ。ふっふっふ。ではな。」
ツーツーツー。
電話が切れても、権三は受話器を放せなかった。
面子丸つぶれである。
「ば・・・ばれてたとは・・・。いや、しかし、今はそんな事を言っている場合ではない!コピ!わしは本屋に行って来る!!留守を頼むぞ!!!」
しかし、さすがに気を取り直し、すぐに権三は本屋に向かった。

・・・そして、本屋から出てきた時、権三は月刊アスキー2000年12月号を抱えながら目に涙を浮かべていた。
「・・・ええ話や。今時こんなアメリカ人がいるとは思わんかったぞい。」
近くの喫茶店に入り、ミルクティを飲みながらもう一度ジジイが示したコラムを読んでみる。
「うーむ、他のPDAにはこう言う話はあまり聞かんのう。それによくよく考えてみれば、わしはもともとファイロファックスの代わりとして考え取ったんだし、これが一番良さそうだな。使っててストレスも少なそうだし。よっしゃ、こうなったらとことん使いこなしたるわい!!」
新たにパームへの決意を燃やすと、権三は本日2杯目のミルクティを頼んだ。

(第4話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
ついに自分専用のPDAとしてPalmVxを使用することを決意した権三。
しかし、使用にあたってパソコンと接続しようとしたその時、Windowsのシステムが権三に牙を剥く!!
権三は果たしてVxをパソコンと連携させることが出来るのだろうか!?
それとも怒りのあまりパソコンに正義の鉄拳をぶち込んでしまうのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「シリアルか赤外線か」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!


これが勝利の鍵だ!!(デバイスマネージャー)

 



2001.01.05 超初心者ゴンザレス 第五話
「シリアルか赤外線か」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。


時期はずれだが、世間はクリスマスを迎えていた。まあ、掲載時期がずれるのは年末進行の最中、仕方がない事である。このストーリーが掲載される頃は正月も過ぎているのであろう。
が、ゴンザレスの世界では丁度X’masSPの翌日となる。
・・・なるんだったら、なるの!

ところで、権三はと言えば・・・、

「うぬう、なかなか面白いのう、このパームと言う奴は」

・・・ここは新宿高層ビルの中にある権三の事務所。
自慢のファイロファックスから、一年分のスケジュールデータを、権三は愛用のデスクトップパソコンにPalmDesktopをインストールして、それに打ち込んでいた。
「さて、とうとうこの瞬間だな。」
つぶやきつつ権三はパームをクレードルにセットした。
既にパソコンのシリアルケーブルはデスクトップパソコンのシリアルコネクターにセットされている。
「よっしゃ、それではぁぁぁ、ホットシン・・・」
「爺、お茶が入っただよ。」
権三がクレードルのホットシンクボタンを押そうとした瞬間、曾孫の珈琲が緑茶とお茶受けのビスケットを持ってきた。
「また、なんつう格好だね?昨日の今日だし、もうちっと大人らしくしたらどうだね?」
お茶をパソコンの脇に置きつつ、珈琲は権三をしげしげと眺めた。
権三はと言えば、腕組みの状態から右腕を伸ばそう力一杯後に溜めているところであった。
・・・と、その伸ばしていた指先が拳に変る。
「部屋に入るときはノックをしろと言うておろうがぁぁぁ!ゴォォォォンザレスゥゥゥ、パァァァァンチッ!!!」
権三の一撃が珈琲の頬を直撃する。
「ごべぶぅ!!」
くるくると宙を舞いながら珈琲は部屋の外に飛ばされて行った。
権三は気を取りなおし再度腕を組む。そして目を閉じる。
しばしの静寂の後・・・権三の目がくわっと見開かれた。
「ホットシンク承認!プログラム・ドリャァァァァイブ!!」
勢い良く右腕を伸ばし、ホットシンクボタンを押す。
ついにPalmOS最大の特徴の一つホットシンク機能が起動すると思われたそのとき、モニターに以下の文章が表示された。
『回線が見つかりません。再度接続しなおしてください』
「ぬわ〜にぃ〜〜〜〜」
しかし、表示は変らない。すぐさまチェックするもシリアルコネクターはしっかりと接続されている。
「これは一体どう言う事だ〜〜??」
徐々に不機嫌になって行く権三。しかし、パソコンに周辺機器を繋ぐときは相性の問題もあるため忍耐が必要である、とモバイル関係の本で呼んだ事のある彼は、忍の一字を持って再調整を行った。
「うーむ、説明書通りにセットしたのに何故繋がらんのだ〜??モデムの設定を外してローカルとか言うところで、COM1と言うところにしておるのに何でダメなのだ〜?????」
権三の頭から湯気が吹き始めた。
「おのれ〜、どうやらパソコンめ、わしに逆らうつもりらしいな?よかろう!ならば今からきっちりと躾してくれるわ!!はぁぁぁぁぁっ!!!」
どうにも思い通りに動かぬパソコンに業を煮やした権三の右手からオレンジ色の光の奔流が、左手からは緑色の光の波紋が迸る。
「滅びの右ぃぃぃぃ!聖なる左ぃぃぃぃ!!二つの力ぁ、今っ、一つにっ!!!」
権三は左右の反発する光の奔流を押さえ込みつつ両手を組み、前に突き出した。
「ヘルッ!アンドッ!!ヘブン!!!ゲル・ギル・ガン・ゴー・グフォォォォォォ!ヴィィィィ・・・」
キーンコーン。
後少しで権三の必殺技がデスクトップパソコンに発動すると言うその瞬間、権三の事務所のドアのベルが鳴った。
「ちっ、運の良いパソコンよ。だが後で必ず制裁を加えてくれるわい。」
必殺の構えを解くと、権三はドアに向かった。
「いや、すまんのう。秘書が寝こけておるもので・・・って、ジジイ?ではないか。」
ベルを鳴らしたのはえ?ジジイ?であった。
「いやいや、実家の兵庫から背負子カニが届いての。権三さんもどうかと思って持ってきたのだよ。一献どうかね?」
「何!?背負子カニとな!!」
権三の目が輝く。

一時間後・・・。
「いや〜、背負子カニはまさしく美味じゃのう。まったくこう言う時は誰かと一緒に食うに限るよ。」
ジジイは上機嫌で、カニと一緒に持ってきた白鷹の特級を空けていく。
「同感同感。この歳になると友人の存在ってものがありがたく感じるものよのう。しっかしまあ、カニも一匹まるごとあると食べきれんわい。」
言いつつ権三も白鷹を空ける。と飲み干した杯をテーブルに置いてジジイの顔をみる。
「どうした?」
カニを口に運びつつ尋ねるジジイ。とカニの身をほぐ手を止める。
「そうそう、パームはもう使ってるのか?」
権三はその問いに、静かに答えた。
「何でか知らんが繋がらないのだ。」
「ほほう。どれどれ?」
ジジイは権三の机を見た。デスクトップパソコンにしっかりとクレードルが繋がっている。
ほうほうと肯きつつ、ジジイはパソコンに触って見た。
「ありゃ?これ確かに繋がらんなあ。うーん、そうするとだよ・・・」
慣れた手つきでジジイはパソコンの設定からデバイスマネージャーを読みだした。
「あ、やはり。権三さん、これで繋がるぞい。」
「え、どれどれ?」
権三は、ジジイの手前あのポーズも出来ず普通にホットシンクボタンを押した。

ピロリー。

甲高い音が事務所内に響く。

「あれ?」と権三は首をひねる。
「いや、電話回線とかパソコンに繋いでいると良くあるのだが、電話回線がシリアル用の回線をふさいでいる事があるのだよ。で、設定上クレードル用のケーブルを読める様に違うCOM回線を割り当てる様にパソコンに指示してあげればまあ、読んでくれるわな。しかし、これがWindowsの良くないところでなあ、CEとPalmを同時に接続しても一方しか読んでくれんのだわい。おかげで一々設定を切りかえるのが面倒と言えば面倒だが・・・。まあ、シリアルが面倒ならこんな手もあるがな。」
ジジイは慣れた手つきでホットシンクの終ったVxをクレードルから外すと、ホットシンクのアイコンに触れた。
画面が切り替わるとジジイはローカルホットシンクの仕様をシリアルから赤外線に切り替えた。
パソコン側のIrDAが作動している事を確認すると、Vxの画面に映るホットシンクのマークに触れた。一瞬にしてホットシンクが終了する。
「おお、赤外線でもホットシンクが出来るのか??」
驚く権三にジジイは笑顔でこう言った。
「どちらかで繋げば良いとは思うが、これは好みもあるからどれが良いかは断言できんの。とは言え、わしは赤外線のほうがシリアルが他の回線で塞がっていてもホットシンクができるから、赤外線を進めるがの。ま、ちと遅くなったが、これがわしからのX’masプレゼントってところじゃな。」
ジジイのその言葉に権三は苦笑した。そして、残りのカニを食べようと、ジジイを促したところ・・・。

「あ、うまかっただよ。」

見れば背負子カニは復活した珈琲によってきれいに片づけられていた。
「いや、さすがやねー、この殻は味噌汁なんかにすると良いかもね〜。」
上機嫌な珈琲。しかし、ふとカニから権三達に目を移すと、二人の背後から金色のオーラが沸きあがっていた。


「ジジイ、あれをやるぞ。」
権三が構える。
「あれか?良いだろう。」
ジジイも構えを取る。
「お、おやおや・・・何かいけない事をしてしまった様ですね。」
珈琲はおたおたとその場から逃げようとした。その背後から・・・、
「わし等のこの手が光った上に唸りを上げてお前を倒せと輝き叫んでおるわぁぁ!喰らえい、必殺!ゴォォォルディオンッパァァァァァム・フィンッガァァァァァァ!!」
「うわひゃあああああ〜こんなオチはいやだぁぁぁ。やりなおしを要求するぅぅぅ・・・」
二人のコンビネーションアタックの前に、珈琲はなすすべもなく崩れ落ちて行ったそうな・・・。


(第5話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にVxをPDAとして使い始めた権三!
しかし、しばらく使ううちに彼はPalmにも弱点がある事を知る。
その弱点は権三に何をもたらすのか?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「Palmの弱点」
次回もこのHPでファイナル・ホットシンク承認!!


これが勝利の鍵だ!!(リセットピン)


来るべき21世紀・・・って、もう古いよね〜。
まさか21世紀の幕開けがこうも平凡なものかと、ちょっとがっかりな作者だったりしますが、日常が続く事って、実はとても貴重な事なんですよね。
ところで、権三さん達の正月ってどんなものなんでしょう?
と、言うわけで、皆さんおまちかねぇぇぇぇ!(え?待ってないって??(+_+)\バキッ)


2000.01.06 超初心者ゴンザレス 正月SP
「出しぬかれた男」



「謹賀新年!!」
ひときわでかい声で権三が吠える。
ここは、権三も参加している「日本ネゴシエイター協会」の本部ビルの中の講堂。
毎年1月1日に日付が更新されると同時に、全国の協会支部に向けて、権三の挨拶が響き渡る。

「ま〜ったく、PDAもろくに使いこなせないで、何が謹賀新年だよ。」
ありきたりの年頭所感をのべる権三をモニター画面で見ながら、珈琲は手元のVisorPrismからスケジュールを読み出していた。
「爺の寝ている隙に、日程表のバックアップをPalmBOKANで確保したから良いようなものの、もう少しで寝過ごすところだっただに。さてと、これから車の用意か。挨拶回りが多くていやになるね〜。」
言いつつ、珈琲は懐からNM502iを取り出す。
市場での影響力は薄れつつあるとは言え、PalmとのIrDA接続には今だ定評がある。
「あ、もしもし。権田原ですが。車一台本部ビル前に。」
連絡を取り終わると、珈琲はPrismとNM502iを懐にしまい、挨拶先のプロフィールを記載したペーパーを取りに事務局に戻った。
その間に権三の年頭所感は終りを告げていた。

それから二時間後・・・
「・・・珈琲、次の挨拶先はどこじゃいな?」
「あと1名ですね。PalmAhoUser−Group・Japan事務局長の「FFF」氏がすめば本日の業務は終了です。」
権三の質問に珈琲はペーパーを読み上げる。
「ふむ、PAU−G・Jか。ふざけたネーミングだが、その影響力は侮れんな。何せ、あの組織は背後に某国の政治組織が提供する豊富な資金があるらしい。それに、かの「グリフォン事件」の折には、我が協会も人的被害を蒙っておる。いずれは対決せねばならぬ相手だな。」
権三は一人、過去に思いを馳せる。
「しかし、今はそのときではない。耐えるのだ、今は雌伏の時。」
瞑目する権三と、その大げさな物言いにあきれる珈琲を乗せ、車は一路PAU−G・J本部に向かった。

そしてPAU−G・J本部の応接室。
受付から案内されたこの一室で、権三達は事務局長の到着を待っていた。
と、応接室のドアが開く。
「新世紀あけましておめ○と〜。わてがPAU−G・Jの事務局長FFFでっせ。どうぞ今世紀もよろしゅうに。」
「あ、こっこりゃどうも。今年もよろしくお願い致します。」
応接室に入ってきた事務局長のいきなりの挨拶に先手を打たれ、権三は珍しく慌てる。
「あ、挨拶ついでに名刺交換いかがですか〜??」
事務局長は懐から大きくSONYと書かれたPalmを取り出した。
「え?」
いきなりPalmを出され、権三は面食らう。
すかさず珈琲が懐からPrismを出し、事務局長のPalmに向けた。
「はい、送りました〜。」
事務局長が何やら操作しつつ、呟く。
珈琲も「はい、来ました、来ました〜。」と呟きつつPrismを操作する。
「はっはぁ〜、なるほど。」
ここに来て権三もようやくわかったらしい。懐からVxを取り出し、同じように行う。

「いやいや〜、お二方ともPalmをお持ちですか!それはすっばらし〜。ぜひ活用してくださいね〜。こいつはいじったらいじった分応えてくれる、まるで(検閲により削除)の様なPDAですしね〜。こいつの良さときたら(検閲により削除)や(検閲により削除)なんて、もう子供の玩具にしか見えまへんよってに・・・。」
事務局長は、その後も延々と喋りつづけた。
気がつけば空が白みはじめていた。

「うう、一体何の組織か皆目検討もつかんな。」
家路を急ぐ車の中で、権三は事務局長の毒気に当てられて、ふらふらになっていた。
珈琲もまた然りである。
「ところで、珈琲、さっきお前が懐から出したのは何だ?」
「あ・・・(^^;; ヒヤアセ」
あせる珈琲。しかし、ここは車中。逃げられるわけがない。
「貴様、まさかとは思うが、これもパームではないのか〜??」
珈琲の懐から取り出したPrismを横目に、権三は珈琲をにらみつける。
「い、いや、これには海よりもふか〜い訳がありまして・・・」
「貴様!わしがパームで苦労しているのを横目にちゃっかりパームユーザーになるとは言語道断!くらえぇぇぇい!!ゴォォォンザレスゥゥゥゥゥ・フィンッガァァァァァァ!!」
「ごぎゃほげぶぅ〜。ああ・・・名刺交換と聞くと思わず自分のPalmを出してしまうユーザーとしての習性がうらめしい・・・」
権三の必殺技を受け、珈琲は崩れ落ちる。
「まったく、わしの見てないうちにこんなものを持っておるとは・・・。」
言いつつ、権三はPrismを珈琲の懐に戻す。

「ふむ、まあ、スケジュール表の入力は珈琲にまかせれば良いが・・・、なんか悔しいの〜。ぐむ〜。」
物思いにふける権三と、必殺技を受けて倒れたままの珈琲を乗せ、車は埼玉の郊外に消えて行った。


権三は、何故珈琲がPrismを持ってる事が悔しいのかどうにも割りきれず、それが原因で、またもや騒動を巻き起こす事になるのだが、それはまた別なお話。


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
曾孫の珈琲が、Prismを持っていることを知った権三の心中には
言葉にしがたい悔しさが渦巻いていた。
果たして、権三はどうやって解消するのか?
まさか、マダム・マグマオーの門下に入るのか??
それ以前にこのままSPはSPでシリーズ化してしまうのか!?
持たないぞ、自分!!
「超初心者ゴンザレスSP」NEXT!
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(上映未定)

2001.01.09 超初心者ゴンザレス 第六話
「Palmの弱点」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。




年は明けて2001年元旦。
まさかこんなに吃驚するような展開がゴンザレスの身の上にあったとは思いもよらず、ただただ言葉もなくゴンザレスを見守るしかない作者である・・・って、まだ何も起きていないのに何かあったように書くのって実に難しい(+_+)\バキッ

と、いう事で新年を迎えた権田原家。
「新年明けましてハッピーニューいや〜んばか〜ん」
御屠蘇の後日本酒を3本ほど空にしてへべれけな権三であった。
どこかで聞いたような駄洒落をばらまきガハハと笑うばかりである。
まあ、権三としては飲むしかないのだが・・・って、何で酔っ払うしかないかは、正月SPを見れば一目瞭然である。さあ、何が起こったのかな??(プレッシャー>自分)

「ふ〜、まったくしょうがないねえ。」
酔っ払う権三を横目に珈琲はと言えばおせち料理をぱくついている。

まあ、良くある正月の光景である。

と、権三はやおら立ち上がりVxを手に持った。
「さ〜て、9日からの予定は・・・っとくらぁ。」
手元の定まらぬ様子で予定表を立ち上げる権三。
と、その目が真剣なものになる。
「あれ?動かんぞ??」
「え?ほんと??」
珈琲もVxの画面を覗き込む。
権三のVxはボタンを押してもうんともすんとも言わなかった。
「珈琲、貴様何かやったか〜んん〜??」
権三は言いつつ珈琲の襟元をつかみあげる。
「ぐ、ぐるじぃ〜。何もしてましぇ〜ん。する勇気もありまちぇ〜ん。」
じたばたしつつ珈琲が答える。
「なら良い。」
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜」
権三に放り投げられた珈琲は、頭から壁に突っ込み壁画となった。
「さ、作品名・・・エジプト人・・・って、何で無実の人間を投げるだね!?」
「まあ、怒るな怒るな。ほんのジャパニーズジョークと言うやつだ。」
言いながらも権三はVxを色々といじる。
が、Vxは画面が固まったまま動かない。
「よし、わかった!」
手をぽんと叩きつつ、権三はうなづいた。
・・・推理ドラマだと、こう言うときのひらめきは大抵当らないものだが・・・(^^;; ヒヤアセ
「しばらくほっておこう。時が経てば機嫌も直るかもしれん。珈琲、初詣に行くぞ!」
権三は外出の身支度を始める。
「まったく勝手な人だよ」とつぶやきつつ、珈琲は食事の片付けをはじめた。

さて、初詣から帰ってきた権三達だが・・・。
「ふ〜、正月から一暴れしてスカッとしたわい。」
「う〜ん、まあ、正月だからって酔っ払ってくだまいてりゃ、殴られて当然だねえ。」
どうやら、初詣先で大暴れした様だ。
「さて・・・Vxちゃんはご機嫌がなおってるかな〜」
権三はVxの画面を見た。
当然の事ながら、Vxは固まったままである。
「んん〜、これは躾がほしいのかな〜??」
邪悪な笑みを浮かべる権三。その右手がオレンジ色の光の奔流に包まれる。
「ちょっと待ちなって。こう言う時は誰かに聞くのが一番手っ取り早いだよ。」
権三の手を止めようとする珈琲。
と、そのとき、珈琲の頭にひらめくものがあった。
「爺、ちょっと貸すだよ。」
権三の手からVxを引っ手繰ると、すかさず裏側に目を向ける。
「これかな??」
小さな穴が目立たない様にあった。
横にRESETと書いてある。
珈琲は近くにあった爪楊枝の先でその穴を押した。

しばらくすると、液晶モニターが環境設定の画面に切り替わった。

「おおっ!珈琲、これはどういうことだ!?」
「まあ、この手のPDAってのは何の理由もなしに止まったりするらしいだよ。で、そういう時はリセットすれば良いって、その手の本に書いてあっただよ。」
「ぬわ〜にぃ〜?貴様何故わしよりそう言う事を知っておるのだ!悔しいからゴンザレスゥゥ・パァァンチッ!!」
権三の鉄拳が、珈琲の腹部をえぐる様にヒットする。
「ごぼぶぇ〜〜〜。」
きらきら光る液体を噴出しつつ、彼方へと飛んで行く珈琲。

「・・・しっかし、PDAに良くある話とは言え、原因もわからず固まるってのは良い話ではないの〜。それにその度毎に爪楊枝を捜し歩くのではたまらんの〜。」
言いつつ権三はスタイラスで不要となったToDoをリストから消して行く。
・・・と、その手が止まる。
「・・・??」
スタイラスの上が外れるようになっている。とりあえずまわして見る。
「・・・なんじゃ、これは?」
見ればリセット穴にはまる程度の大きさのピンが、スタイラスに内蔵されていた。
しげしげと眺める権三。と、そこに珈琲が戻ってくる。
「うう、正月早々ひどい目にあっただよ・・・、爺、何だねそれは??」
「どうやらリセットピンだ。つまりパームは基から「固まる」事も想定している様だな。」
ほほう、と頷く珈琲。
「しかし、この手の道具ってのはどうも、「画面が固まる」等の不祥事が起こる事を前提とした造りの様じゃのう。良くまあ消費者が騒がぬものよ。」
権三はリセットピンを眺めつつつぶやく。
「ま、使う側にも覚悟を求めるという事か。良いのか悪いのか・・・。パームにも弱点はあるものだわな。」
権三は言いつつ、Vxの電源を切り、クレードルに戻した。



(第6話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
とりあえず弱点を克服した権三とVx。
しかし、彼等の前に待機時間と言う名の新たな魔物が襲いかかる。
起動せよ!Vx!!
今こそ他のPDA以上の能力を発揮する時だ!
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「ゲームなるもの」
来週もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(Subhunt&Hardball)



2001.01.12 超初心者ゴンザレス 第七話
「ゲームなるもの」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



ここは丸の内のビル街の一角。
ネゴシエイト業務の商談に来た権三は、相手方が昼食中と言う事もあり、1時間ほどの空き時間が出来た。
「ええい、こっちがパームでスケジュール管理をきっちりしても、向こうがスケジュールを守らんのではどうにもならんではないか!」
「相手の昼食時間に強襲をかけて、昼食代を浮かそうって魂胆が見え見えなんよ。大体、一緒に昼食を取るなんて、向こうは想定してなかった様だよ。」
権三の思惑を感じ取った珈琲は、すかさずたしなめる。
「コピ君、なんぞいうたか?」
権三はひと睨みする。
「俺ら、何も言うてねえだよ。」
首を振る珈琲に、ふんと鼻をならし、権三はフロンティアを咥える。
煙だけが廊下にたなびく。

「・・・コピ、本は持ってるか?」
「ないだよ」
「ちっ、役に立たんやつだ・・・って、おい、お前そのパームで何やってる?」
権三がふと珈琲の手元を見ると、珈琲は、自分のPrismをしきりにいじっていた。
覗き込むと、往年のTVゲーム名作の一つ「ブロック崩し」に似たものが画面に見えた。
「見て分らんかね?ゲームだよ。」
「・・・んな事ぁ、わかっとる!わしが言いたいのは、何でパームでゲームやってるのかと言う事だ。」
「何でも何も、PalmDesktopで入れたに決まっとるだよ。」
珈琲は当然と言う顔で答えた。
「いや、だから、わしが聞きたいのは、入れ方でなくて、パームでゲームをやる理由だ!」


「暇だから」


「それだけ?」


「それだけ。」
権三の問いに、珈琲は平然と答え、目線をPrismに戻す。
権三はすかさず珈琲に詰め寄った。

「・・・貸せ」


「・・・いやだよ」


「貸さぬかぁ!貴様ぁぁぁ!!ゴォォォンザレスゥゥゥ・パァァァァァァンチ!!」
厚さ50mmの鉄板を打ちぬく鉄拳が、珈琲の脾腹に炸裂した。
「ぶぎゅるるるぅ!」
悶絶しながら倒れる珈琲。しかし、珈琲も薄れ行く意識のなかでPrismの電源を落とした。

珈琲からPrismをふんだくった権三はPrismの電源を入れた。
しかし、珈琲はどこからかPassword機能付のロック用Palmwareをインストールしていたらしく、うんともすんとも言わない。セキュリティとしては完璧では有るが、相手が権三では却って逆効果となる。
「ほほう、コピ君やりおうのう。帰ったら色々な方法でパスワードを聞き出すとするか。ふっふっふ・・・歩のない将棋は負け将棋。」
権三は珈琲の懐にPrismを戻した。

しばし流れる時間。

「ぬう、暇である!」
言いつつ権三は自分のVxを取り出した。暇なのでスケジュールの確認と思ったらしい。
ふと、手をとめる。
思い当たる事があったのか、彼はVxのメニュー表から「未分類」の項目を呼び出した。
と、その目線がある一点で止まる。
「ありゃ、入れとったんか。なんかパームのデスクトップから適当に入れていた記憶はあったが・・・、あ、入っとる。」
どうやら権三のVxにも「ブロック崩し」が入っていたらしい。
「ほほう、「HardBall」と言うのか。こう言うのが標準で添付されてるのも面白いのう。(検閲により削除)だと、標準でついてくるのは安っちぃトランプゲームだけなんだが。しかも、7並べは最初に出た手札でそろうかそろわないかが確定するから、ストレスが溜まっていかん。せめてフリーセルなら楽しめるものを。」
誰に言うとなく呟きつつ、権三はHardballをスタートさせた。
久々のブロック崩しに権三は熱くなる。一気に4面までクリアさせる。
と、そろそろ昼食も終る時間となる。
一旦、ゲームを終了させるものの、まだ相手方は戻る気配がない。

「・・・他にも何か入れてたよな・・・。」
言いつつ、「未分類」の項目を見ていると、今度は「Subhunt」というのが出てきた。
「ふむ、潜水艦ゲームか。懐かしいのう。昔は実際に駆逐艦の爆雷で沈めていたものだが・・・」
物騒な事を言いつつ、権三はゲームをスタートさせる。
「ぬっ、こいつは!ええいっ、逃げるかぁ!!」
段々エキサイトしてくる権三。
近づく足音にも気付かぬほどに・・・。

「いやー、権田原さんお待たせ致しました。早速商談に入りましょうか?」
相手方が昼食を終えて戻ってきたのである。

しかし、権三はと言えば・・・。
「ちっ、逃げられたか!次はこうは行かんぞ!!」
血走った目でつぶやく。

手に持ったPalmを血走った目で凝視する権三の姿に、相手方はすぐさま事務所に飛び込み、秘書に向かって叫んだ。
「きっ、君!すぐさま権田原さんに食事の用意を!!あのままでは商談に入る前に私の命の値段が決まってしまう!!!やはり食事代を浮かそうとした私が甘かった〜(ToT)」
どうやら、権三の形相に、相手方は食事の事で怒髪天を衝く勢いと勘違いしたらしい。


その後、権三と珈琲は理由もわからぬまま相手方の計らいで、昼食にありつき、商談もスムースに行った様である。

そして、帰りの電車の中・・・。
「コピ!駅に着いたら知らせるのだ、良いな!!」
「あーあー、またSubhuntやっとるよ。こりない爺だねえ。」
珈琲は、ゲームに夢中になる権三に対し「いっそのことGameboyを買ったら?」とはとても言えず、翌日のスケジュール確認を行うばかりであった。

(第7話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
Vxを徐々に自分のものにしつつある権三。
しかし、権三の手には、付属のスタイラスは小さく握りにくいものであった。
果たして権三の使い方に満足できるスタイラスはあるのか!?
それとも、付属のスタイラスで我慢するしかないのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「スタイラス」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(Xbarr)



2001.01.16 超初心者ゴンザレス 第八話
「スタイラス」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



「ぬう・・・」
呟きつつ、権三は鏡の前でポーズをつける。

・・・ここは、新宿高層ビル街の一角にある権三の事務所。

ワードローブの前で権三は一人ポーズを変えながら、うーむと首をひねる。
「何しとるだね?」
丁度珈琲が三時の茶菓子と狭山茶を持って入ってきた。

「いやな、ちょっと気になる事があっての・・・。」
言いつつポーズを変える権三。

「・・・その、どう考えても馬券売り場で鉄板がちがちのレースを外して、一発大穴大逆転を狙っているようなポーズはなんだね?Palmで競馬でもやるんかいな?」
珈琲は権三の姿を見てぼやいた。
見れば権三は、ハンチング帽を被り、毛糸のマフラーを巻いた上に、よれよれのコートを着込み、フェルト地のズボンと言うスタイルであった。
「今時、そんな姿馬券売り場でも見ないような気がするだが・・・」
珈琲はかぶりを振る。
そんな珈琲をフンと鼻で笑い、権三はコートを脱いだ。
「これだから、俗人は困る。わしは今パームを持って一番似合うスタイルはどれか研究中なのだ。まったく、「円楽伊豆くんだりまで行って若竹を潰す」とはこの事だな。」
権三は言いつつもワードローブから別なコートを取り出す。
「それを言うなら「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」だろうに。下手な洒落はよしなしゃれってやつだよ。」
珈琲もお茶をテーブルに置きつつ言い返す。

「しっかし、このスタイラスがな〜。」
権三は頭をかきつつぼやく。
「なんか、こう手帳に付属するちびた鉛筆みたいで嫌になるの〜。」
「だって付属品なんだからそんなものでしょうよ。」
珈琲はと言えば、Prism付属のスタイラスで満足している様であった。
「いや、お前はともかくエグゼクティブであるこのわしには、あんなちびた鉛筆みたいなものを持つ姿は似合わんぞい。なんか良いスタイラスはないもんかいな。」
「だったら、その辺のシャープペンシルとかの先端を丸めて、ついでにピアノ線でも入れておけばよかろうもん。大体、スタイラスなんてどれも一緒だって。」
「この大馬鹿者ぉぉぉぉ!!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥゥパァァァァァァンチッ!!」
厚さ100mmの鉄板を打ちぬくといわれる権三の鉄拳が珈琲の左頬に炸裂した。
「そんなもんがスーツに似合うわけないだろぉぉぉ!よっく考えろ、このタコ助が!!」
「最近たまに思うだども、爺って敵が多くないかね?」
痛む頬を押さえつつ、珈琲がぼやく。
「敵なんて産れた時から数え切れんほどおるわい。その様な敵に勝って勝って勝ちまくって今のわしがあるのだ!!ぐわっはっは〜」
誇らしげに吠える権三に対し、「こいつ、いつか背後から刺されるんだろうな」と思う珈琲であった。

「おっと、こんな事をしてる場合ではないわい。わしのパームに似合う服装を早く見つけねば・・・。」
またもや服装を変える権三である。
と、その手が止まる。
「コピよ、もしかしてわしはとんでもない思い違いをしているのではないか?服装をパームに合わせるのではなく、スーツに合うスタイラスを探したほうが良いのではないか??」
「いや、まったくその通りだと、俺らは思うだよ。」
「貴様何故それを指摘せん!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァァンチッ!」
厚さ200mmの鉄板を打ちぬくと言われる権三の鉄拳が珈琲の右頬に炸裂した。
「ぷぎょわぁぁぁ〜、威力がどんどん増えている〜。」
吹き飛ぶ珈琲。壁にめり込む。
「さ・・・作品名、マヤの壁画・・・きゅ〜」
身体を張ったコメントを残し、珈琲は倒れた。

そんな珈琲を尻目に権三はスーツに合うスタイラスを探すため、早速全世界の諜報機関に指令を出すべくショルダー式の携帯電話に手をかけた。
・・・と、そのとき・・・。

キーンコーン。

「むう、来客とな?コピ、早ぅドアを開けてやれ。」
ようやく壁から這い出した珈琲に権三は命じた。
「人使いの荒い爺だよ。」
言いつつドアをあけると、そこにはえ?ジジイ?が立っていた。
「どうも新年明けましたので、今年もよろしく。」
喪中であるからか、え?ジジイ?はなんとも中途半端な新年の挨拶を行った。
「あ、ジジイさん丁度良いところへ!」
珈琲からすれば「渡りに船」である。すぐさま奥へ通した。

「ぬう、ジジイではないか?」
「いやいや、世紀も変ったので、あいさつにな。」
予期せぬ客に、権三もあまり良い顔をしない。
「ところで、お主はこの年越は何をしておった。」
茶菓子をつまみつつ、権三はジジイに尋ねた。
「世紀を超えて「行く年来る年」を見ておった。まあ、いつもと変らぬ正月じゃな」
「そうか、わしは世紀をまたいで厠に入っておった。」
「飲み過ぎたのだろう?」
「まあ、そうとも言うわな。」
権三は言いつつ狭山茶を飲む。
と、その手が止まる。

「お主、そのスーツの胸ポケに刺したペンはクロスだな?いつから宗旨替えなのだ。お主はいつもモンブランしか使わぬではないか。」
「おや、権三さん目ざといねえ。いや、実はこれは「Xbarr」と言うてな・・・。」
言いつつジジイが胸ポケから取り出したのは、なんとクロスのボールペンの芯の部分をスタイラスに変えたものであった。
「これを作った人は、おそるべき道楽極道でな。スーツに合うスタイラスがないために自ら作ってしまったのだよ。しかもネット経由で販売もするという優れたお人でな。」
「ほうほう・・・」
権三はと言えば、ジジイの説明もそこそこにクロスのボールペンに収まったスタイラスで自分のVxに書きこみを行う。
「お、おお?おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ふっふっふ・・・、どうだ、良かろう。このスタイラスにしてからはわしもPalmを取り出す時に変な目で見られる事が少なくなったよ。やはり周辺機器にブランド物を使えば、世間もPalmをビジネスの道具として認識してくれると言うものよ。」
ジジイは言いつつ狭山茶を飲み干した。
「おい、ジジイ!これは何処で売ってるのだ!?」
「権三さんクロスのボールペンはあるかな?」
「おうよ!腐るほどあるわい!!」
息巻く権三に、ジジイはなだめつつこう言った。
「それなら、掌極道と言うホームページhttp://www.shundo.com/palm/index.html)を尋ねてみることだ。そこにお前さんの求めるスタイラスがある。」
「わかった。掌極道http://www.shundo.com/palm/index.html)だな。よっしゃあ!今からアクセスじゃあ!!」
権三はやおらパソコンに向き直ると、ジジイの指し示したホームページへのアクセスを試みた。

数日後・・・。
権三は上機嫌でVxを使っていた。
当然その手元にXbarrがあった事は言うまでもない。


(第8話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にスーツに似合うスタイラスを手に入れた権三。
しかし、彼はある事に気付く。
そう、このままでは剥き出しのVxに傷がつく!
そこで権三はVxを保護すべく次なる手段を嵩じることになる。
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「ケースを買え!」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(COACH&ビトンのVx専用ケース



2001.01.18 超初心者ゴンザレス 第九話
「ケースを買え!」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



「では、ネゴの内容は、先日の議事録の通りに。」
権三は厳かな口調で切り出した。
「ええ、後はゴンザレス様にお任せします。よろしくお願い致します。」
相手は権三に深深とお辞儀をした。
権三は一礼すると、椅子の脇に置いていたポーターのブリーフケースに書類を詰め、その場を離れた。

・・・ここは銀座のとあるオフィスビルの一角。
権三はあるネゴシエイトの依頼を受け、ネゴ内容につき依頼人とぎりぎりまで調整を行っていたのである。この後、権三はこのネゴシエイトに成功した事で、所属する協会から表彰を受ける事になるのだが、それはこの話とは何の関係もないため割愛する(+_+)\バキッ

「さて、File−E完了っと。」
権三はToDoリストから今回の用件を削除すると、Vxを鞄にしまった。
カチッ。
鞄の中で金属音がする。
「あれ?何か当ったか??」
鞄の中を覗き込むと、書類止めのクリップがVxに当っていたのである。
「あーあー。」
見ればVxに傷はついていない様であるが、それでも良い気分ではない。
「ううむ、良く考えれば付属のカバーではVxの全体を覆えないではないか。」
権三はVxをYシャツの胸ポケットにしまうと、再び歩き出した。

気分を変える為銀ブラする権三は何時の間にか、昭和通りから中央通りまで歩いてきていた。
「日一日と風情がなくなっていくのう。昔は木挽町とか、町の由来がわかりそうな街が多かったものを・・・。表情がなくなっていくのは、年老いたものにはたまらんなあ。」
昨晩読みふけった本の影響からか、権三は中央通りから更に裏に廻り、有名な洋食屋に入った。
風情のあるたたずまいと、懐かしい「洋食」の味。畳敷きの座敷で食べると言う情景に酔ったからか、先ほどのクリップとVxとの接触の事も忘れ、権三はふらふらと並木通りまで歩を進めた。

ふとその目に「Vx用ケース入荷しました」の文字が飛びこんできた。
権三は訝しみつつ、目を凝らす。
どうみてもVxの文字である。
「・・・Vxと言えば・・・これだよなあ。」
権三は胸ポケットに収まったVxに目をやる。
「ふむ、おもしろそうである。」
権三はそう呟くと、銀座の裏通りにひっそりと佇むセレクトショップに入っていった。

「ごめんなさいよ。」
言いつつ、権三は店の中をしげしげと見て廻る。
店員はと言うと、やる気がなさそうに流行りの雑誌に目を落としている。
ふと、その目線を上げると・・・。
「ちと物を尋ねたい。」
「うわぁっ!びっ、びっくりさせないで下さいよ!」
店員は眼前に権三の顔が急に現れたからか驚いた。
「いや、表に張り紙のあるVxのケースと言うのはどれかね?」
「あ、ああ、あのケースね。ちょっと待って。」
店員は店の奥をごそごそと掻き回し、箱を二つ取り出した。
「この二つですね。委託販売の品なんですが、結構物は良いですよ。一つはコーチ。もう一つはビトンなんですよ。」
店員が箱からケースを取り出す。見れば新品同然だ。

「へぇー、コーチって言ったら結構な品じゃないか。こっちも良さげだねえ。」
権三は逸る気持ちを抑えつつ、呟いた。
「まあ、最近流行ってるからね〜Palmは。その辺のビジネスマンも結構使ってるから、入れた傍から売れてしまうんですがね。でも買った後違う機種に買いかえる人も多いので、ケースが合わないから売りに来るって人も多いんですよ。」
「ほぉ〜、そうかね?」
「お客さんもPalm持ってます?もしVx持ってるなら、これ買えば箔がつきますよ〜。」
店員は自分のVxにケースをつけて、権三に見せた。
「ふむ、これはいくらぐらいになるのかな?」
「まあ、このくらいですかね?」
店員は権三の態度に、計算機を弾いて見せる。
「うむ〜、ちょっと高くないか?」
権三は言いつつも、鞄の中に入れて持ち運ぶときはコーチのケース、祝賀会等のフォーマルな服装の時はビトンのケース、と使い分けを考え始めていた。
「二つでこの値段。どうかね?」
権三は言いつつ、店員の持つ計算機をちょちょいと叩く。
「ん〜、良いでしょう。これでオッケーです。」
店員はにこやかに言い、ケースを箱に納めた。
二つの箱を手提げ袋に入れる店員に対し、権三はその代金を支払った。

店を出た後、権三は近くの喫茶店に入り、コーチの専用ケースにVxを入れて見る。
「ふむ、これならVxが傷つく事もなさそうだな。それにフォーマルウェアのときは鞄とか持つ事もないから、ビトンのケースが結構似合いそうだわな。まあ、他にもケースは一杯売ってあるが、こういうのだと外人相手でも臆する事はない。いや、良い買い物をしたわい。」
ミルクティを飲みつつ権三は呟いた。
その一方で、セレクトショップの店員は・・・。
「もしもし、かーちゃん?わし〜。この前サラリーマンが売りに来たけったいなケースな。なんか身なりの良い老人が来て倍値で買って行きおったわ。今日はこれから焼肉食いに行くぞ〜。」
・・・どうやら、権三は高額で吹っかけられていた様である。
ま、お互い良い思いをしたのならそれで良しとしますか(+_+)\バキッ



・・・後に権三は、中村屋・丑や・国立商店と言ったケースショップの存在を知り、パーム用ケースの奥深さにはまって行くのだが、それはまた別なお話である。


(第9話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にパームユーザー憧れの外国製ケースを入手した権三。
しかし、彼はまだVxに保護すべき部分がある事をすっかり忘れていた!
権三は果たしてその事に気付くのか?
それともいつもの様に、珈琲かえ?ジジイ?に指摘されるまで忘れているのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!!
「保護すべきもの」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!




これが勝利の鍵だ!(writeRIGHT)



2001.01.23 超初心者ゴンザレス 第十話
「保護すべきもの」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



・・・ここは新宿高層ビルの一角にある権三の事務所。
「ふっふっふ〜。やはりパームは良いのう。」
COACHのケースに収まったVxを手に、権三は先日購入したXbarrでスケジュール管理とToDoのチェック、そして思いついた事のメモ書きを行っていた。
それまで権三はキーボードで入力するほうが簡単だと思い、スケジュール管理などは全てPalmDesktopで行っていたのだが、第8〜9話の散財によって、直接パームに書きこむほうが便利であると思うようになっていたのである。
それだけPalmに慣れて来たと言う事かもしれない。

一方珈琲はと言うと・・・。
「さて、ここからは神経を研ぎ澄ますだよ〜。念動集中・・・T−LINKフルコンタクト〜!」
どうやら何らかの作業に集中している様である。
見れば愛用のPrismの液晶面にクレジットカード大のプラスチック板を押し付けている様である。
「そ〜っと。そ〜っと・・・」
少しづつプラスチック板を動かして行く。

・・・と、その時。
「おい、コピ。何しとる?」
「うわぁ!」
不意の権三の発言に驚いた珈琲は、弾みでプラスチック板を一気に動かしてしまった。
「何やってんだ、コピ?お前のパームに板なんぞ押しつけて。」
「あ〜あ〜あ〜(ToT)空気が入った〜〜〜。やりなおしだ〜〜〜〜よ〜〜〜。」
「だから何をやっとるんだって、聞いてるんだよ。」
権三の声が段々低くなる。しかし珈琲はそんな事にも気付かず目の前で起きた出来事に泣くのみであった。
「せっかく液晶保護シートを買ったのに〜。高かったのに〜〜〜。」
「だから何をやっとるんだと聞いとるのだぁぁぁぁ!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァァンチッッ!!」
厚さ400mmの鉄板をも打ちぬく権三の鉄拳が珈琲の背中に炸裂した!
「ごぎょぉぉぉぉ・・・。更に威力が増してるぅぅぅぅ。」
のた打ち回る珈琲を尻目に、権三は珈琲のPrismを手に持った。
見れば、Prismの液晶部分の上から何やら薄い透明なフィルムが貼ってあった。

「コピ、これは何だ?」

「痛たた・・・見てわからんかね?フィルムだよ。」

「だから何のフィルムなのだ?」

「保護フィルムだよ。」

「・・・何の?」

「・・・分らんかね?」



「貴様一人だけ分かった振りをするのは気に食わんわぁ!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァンチッッ!!」
厚さ160000mmの鉄板をも打ちぬく権三の鉄拳が、またもや珈琲の顔面に炸裂する。
「ぎゃふ〜ん!威力が二乗増しになっているぅぅぅぅぅぅ〜。」
珈琲は権三の鉄拳の威力に吹き飛びつつも、かろうじて高層ビルから吹き飛ばされる事は免れた。

「ううう・・・、それはPalmの液晶面を保護する「writeRight」と言うシートだよ。液晶剥き出しの画面をスタイラスでがしがし突っついたり書いたりしていたら、液晶に傷がつくので開発されたもんだよ。通販なんかでも売ってたはずだけど・・・。」
「え?普通に使っていたらあのパームに傷がつくのか?」
権三は珈琲の発言に驚いた。
「まあ、実際に液晶面に傷がついてる人もいるそうだから、なるべくなら貼っておいた方が良いけどねえ。」
「それ、メーカー製なのか?」
権三はPrismに貼ってある液晶保護シートを眺めながら尋ねた。
「純正じゃなくてサードパーティ製だけど、信頼性は高いよ。結構Palmを扱っているショップでは売ってるところが多いね。」
「何でメーカーがその辺サポートせんのだ?液晶交換なんて高いじゃないか。」
「さあねえ。その辺はサードパーティにまかせてるのだと思うよ。」
珈琲はPrismの液晶保護シートから必至に空気抜きをしつつ答えた。
「ふむ、わしのVxもそう言うのがあると何かパーフェクトになったような気がするのう。コピ、一枚よこせ。」

「へ?」

「だからよこせと言うておるのだ。何、形が合わなきゃ切れば良い。」

「自分で買えよ。その手の店で売ってるから。」

・・・しばしの沈黙。そして・・・。

「よぉぉぉこぉぉぉさぁぁぁぁぬぅぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁ!!!」
取っ組み合いのすえ、権三はようやく一枚ゲットする事に成功した。
その後では、珈琲がぼろ雑巾の様に横たわっている。
「ううう、もういやこんな生活〜(ToT)」

「さて、わしのVxにも貼るとするかのう。」
権三は、珈琲から無理やりwriteRightの貼り方を教わると、Vxに慎重に貼り始めた。
もう少しで貼り終わると、その矢先、権三の鼻に埃が入った。
「イックシュン!」
まるで加藤茶張りのくしゃみをした権三は、その瞬間凍りついた。

そう、彼のVxもまた液晶とwriteRightとの間に空気が入ったのである。


(第10話終了)

(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
遂にほぼパーフェクトな仕様となった権三のVx!
しかし、そんな権三の前にVxの根本的な問題が立ちはだかる!!
まだ何か買い忘れているのか、権三!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「電源を確保せよ!」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!



これが勝利の鍵だ!(TravelKit)



2001.01.26 超初心者ゴンザレス 第十一話
「電源を確保せよ!」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキアン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。



「ありゃ?電池のゲージが減ってきている。」
郊外の立ち退き要求に関するネゴシエイトを終えた権三がToDoリストを確認しようとVxを立ち上げたところ、画面の上に出る電池のゲージがかなりの線まで落ちこんでいた。
「そう言えば年末からクレードルにおいてなかったからなあ。何か忘れるんよね。」
確かにそれはその通り。
その傍らで珈琲はと言えば・・・。
「いやー、おいらはVisorPrismだもんね〜。電池が切れてもバックアップモジュールさえ刺しこんでおけば確実に復旧可能だもんね〜。まあ、この辺がVisorの優れたところだ〜ね。」
何気にVisorのシステムを誉めていた。
「・・・悪かったな。スタンドアローンのメモリがなくて。」

「・・・スタイルから入ったんだから仕方ないんじゃない?」

「何かむかつく!ゴォォォォォンザレスゥゥゥゥパァァァァァァァァンチッッ!!」
厚さ2560000mmの鉄板を打ちぬく権三の鉄拳が珈琲のあごを捉えた。
「げぶるぅ〜。何で打つ度に威力が増すの〜バタンキュー」
珈琲は余りの威力にその場に崩れ落ちた。

「さてと、今日はこの辺で帰るか・・・。」
Vxの残存電池が気になる権三は、帰路につこうとした。
と、その時・・・。

ピロロロロッ。

「むう、携帯が鳴ったとな?」
肩掛けの携帯電話のコールに、権三は受話器を取り上げる。
「はい、こちらゴンザレス。おお、事務所か、どうした?何??もう一件入ったと!?馬鹿、そんなもん明日に回せ明日に!」
権三はこれ以上仕事を入れたらVxに入れたデータが消えそうな気がするから、仕事を拒否しようとする。が、しかし・・・。
「え?協会直々の依頼・・・?うーむ、困ったなあ。」
権三は悩んだ。協会直々の依頼が入った場合断れないのだ。しかも今帰宅したい最大の理由は、Vxの電池の残量がないと言うことだけ。
正直に話して断った場合、後の処理が面倒になる事は言うまでもない。

「よーし、わかった。やったる。場所は?え?秋葉原?(+_+)\バキッ」
どうやら何とかなるかもしれない。権三はそう思った。
「珈琲、何を寝ておる!秋葉原に行くぞ!!あそこには日本パーム界の聖地がある。パームユーザーたるもの1年に1度は聖地にお参りに行かないと寿命が縮む(注:判っているでしょうが大嘘です(+_+)\バキッ)とモバイル系の本に書いてあったわ。」
「でもVx大丈夫かね?バッテリーの残量がかなりなさそうなんだけど・・・」
珈琲は至極常識的な事を権三に指摘した。
しかし、権三はと言えば・・・。
「だいっじょ〜ぶ!このVxには根性が入っておる!心頭滅却すれば火もまた涼し。少ない残量は根性で補えばなんとかなる!!」
と意気軒昂であった。
「なんともならねえよ」と珈琲は思ったが、口にするのは止めた。
何故なら言った瞬間、今度は6553600000000mmの鉄板を打ちぬく鉄拳が飛んでくることが大いに予想できたからである。

さて、場面は変って秋葉原。
協会からの仕事を3分で強引に終らせたものの・・・。
権三と珈琲は思い切り道に迷っていた(+_+)\バキッ
「うおおおおお!表通りはどこじゃぁぁぁぁぁぁ!!」
権三はVxのバッテリーが気がかりで、いつしか秋葉原の路地裏を猪突猛進していた。徐々に日も陰って来る。
「あわよくばモバイル系の量販店で充電だけやってしまおうと不埒な考えをもつからこうなるだよ〜。だから仕事終ったら表通りのナカウラとかオノデンとか行こうって言うただよ〜〜〜。」
「やっかましいわ〜!愚痴る暇があったらお前も聖地を探せ〜!!こうなったらわし等を救うのは聖地だけじゃぁぁぁぁぁ!!!」
珈琲の突っ込みに構うことなく、権三は走りつづけた。
「ぜってぇ無理だぁぁぁ。いきなり入って充電だけさせてくれる訳ないだぁぁぁ!!」
珈琲は至極もっともな突込みを入れるが、権三はそれどころではない。
「うおおおおおお!Vx根性だ!気合いだ!気合いで電池の残量を増やせぇぇぇぇ!増やすんだ、こらぁぁぁぁ!!!」
端から見れば電波系と言われても過言ではないが、今の権三はそれどころではないのだ。
「爺!あれだ!!」
珈琲が聖地の看板を見つけた。
「でかしたコピ!うおおおおおおおお!待ってろVxぅぅ!今充電させてやるぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
権三は、全力ダッシュで聖地に突入した。

数分後・・・
「いや、まったく持ってかたじけない。」
権三は店員に深深と頭を下げた。
「いえいえ、困ったときはお互い様ですよ。30分ほど繋いだらご自宅に戻るまでは何とかなりますから。」
店員はこう言う事に慣れていた様で、権三が血相を変えてVxを右手に見せに飛び込んでくると、すぐに店に備え付けのクレードルに繋いでくれたのだ。
「まあ、普段からの充電を怠っていたこの爺が悪いとは言え、こう言う時にすぐに充電できるような道具とかはないもんですかね?」
珈琲は、今回と同様の事が起るのを危惧し、店員に尋ねた。
すると店員は小さなパッケージを権三達の前に提示した。
「まあ、普通は出張時にクレードルとかを持ってくと大変なんでって言う事で開発された「TravelKit」と言う物ですが、今回みたいなときには結構役に立つと思いますよ。あとは手回しの発電機とかがあれば良いのですが、あいにく切らしてしまって。」
「いや、発電機なら問題ない。とりあえずこのKitさえあれば後は電源を確保すれば良いだけ。早速ゲットしますので宜しく。」
権三は、口調とは裏腹に神妙な面持ちでTravelKitを購入した。
しばらくして充電を終え、権三達は今度こそ帰路についた。

「いや、あの聖地って何か商品が多くて目移りするね〜。でもPrism用のケースはまだ入ってないんだって(ToT)」
珈琲が残念そうに言う。
しかし、権三はと言うと、しきりに外に目をやっている。
「どうしただね?」
「いや、どこかで飯食わんか?」
「おや、珍しい。どうした風の吹き回しだね?」
珈琲は権三の態度に疑問を持った。
普段こんな事を言う人間ではないことは重々わかっている。

「いやな、飯食ってる間にこのTravelKitでVxをパーペキに充電させようと思っているんだがな・・・。」
言いつつも権三は適当なファミレス等がないか探していた。

「爺、それって窃盗罪だよ。」そんな言葉を飲みこみつつ、珈琲はどうか食事中に波瀾が起きないように祈っていた。


(第11話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
ようやく権三のVxも使いやすくなった。
しかし、権三はある重要な事を忘れていた!
それは日本語版Palmユーザーが見落としがちな事でもあったりするのか?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「日本語化の恩恵」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!


これが勝利の鍵だ!(J−OSシリーズ)


2001.01.30 超初心者ゴンザレス 第十二話
「日本語化の恩恵」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同 じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザ レスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指し ており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。 権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に 権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキ アン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで 幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。




「しかし、慣れればこのひらがなキーボードも使いやすいのう」
権三はXbarrでVxにスケジュールを書きこんでいる。
本来ならGraffityで書きこんだ方が早いのかも知れないが、権三はまだVx 購入から日も浅く、またGraffity自体にも慣れていなかった。
ここは新宿高層ビル街の一角にある権三のオフィス。
6日から8日まで連休が取れたため、権三はオフィスでこれまで溜めた書類の整理な どを行いつつ今後のスケジュールの組立を行っていた。
「爺、お茶が入っただよ。」
「おう、そこへ置いとけ。」
珈琲は権三が指示した机にお茶とお茶受けのクッキーを置く。
「ふむ、終了っと。」
権三はスケジュールを入れ終わると、Vxをクレードルに戻し、お茶をすすった。
「しかし、ダイレクトに日本語が入るとは、感心じゃのう。」
「そこまでの苦労は並大抵でなかった様だよ。」
「そうなのか、コピ?」
「・・・らしいよ。」
珈琲はお茶受けのクッキーをほおばりながら肯いた。
「元々海外メーカーだし、日本での販売には難色を示していたようだしねえ。まあ、 一人の日系アメリカ人の情熱とその情熱に感銘を受けた日本人によるPalmOS日 本語化ドライバー「J−OS」シリーズの開発、それを受けて日本でのPalmユー ザーコミュニティを盛り上げた人々によって、日本語版の販売もうまく行った様に俺 らには見えるけどね。」
「ぬう、貴様何故それを知っている??」
権三は歯噛みしつつ尋ねた。
「爺の読み終わった、月刊アスキーの2000年12月号やその他のPalm関係の 本を読むと、なんとなくその辺は見えてくるね。まったく日本語版しか知らない僕等 は先人達の恩恵に浴してるって考える事も出来るような気が俺らはするだよ。」
珈琲の解説に権三はほうほうと肯く。この辺権三も素直だったりするが・・・。
「しかし、何故先駆者達はその事をもっと声高に主張せんのだ?わしの様に先人の活 躍を知らぬものの割合が増えてみぃ。先人達の考えていた方向性からずれて来た時 に、齟齬や乖離がコミュニティ内に生じ、分裂や世代間抗争のようなものが発生する だろうに?」
権三は過去のネゴシエイトの経験から疑問を覚えた。
「団体とか組織ってものは、そういう「ズレ」が生じたときに、それをどう扱うかで その後の方向性とか雰囲気もきまると思うぞ。ほったらかしにしておけば、声高に主 張する人間の思うが侭になってしまうし、かと言って、発言を脅迫や操作した世論で 抑えこめば、却って思考錯誤や失敗を許さない恐怖政治が横行する事になる。」
「まあ、政治とかってそういうもんだよね。」
珈琲は権三の発言に相槌をうつ。
「往々にして失敗や思考錯誤を許さない人間と言うのは、基本的には自分がそう言う 事をやらかしている分他人様には完璧を求めるわけだから、まあ了見の狭い輩だわ な。こういうのを抑えこむには、やはり先駆者たちの中でも、発言に影響力のある 人々が意見を言うことだが・・・。」
「・・・多分、そういう事は「粋じゃない」んだと思うよ。良く考えてごらんな。J −OSの製作者は本当ならJ−OSをPalmOS日本語化の際に正式採用を訴え たって良かったんだよ。それをしなかった事から考えても、やはりそんな低い次元で の話でなくて、もっと高みを目指しているような気がするねえ。実際そういうコミュ ニティだったからこそ、僕等でも日本語版Palmを買う事ができるくらいにまで一 般化できたのだと思うよ。かと言ってまあ、俺らだって、J−OSを扱う事には腰が 引けるだよ。初心者には「プログラムにパッチをあてる」とか「OSを変更する」っ てぇ事は怖いしね。それでWindowsが吹っ飛んだとか、高い金出して買ったP almが只の鉄くずになるのは嫌だもんね。そう言う人間が先駆者のことを語るのは 非常におこがましいけども、だからって知らないままってのも怖いしね。」
権三の話を遮って珈琲はつぶやいた。
「ぬう、それではどうすれば良いのだ?」
権三は珈琲に尋ねる。
「知らぬ事は、引け目にもなる。しかし、「J−OS」を知るか知らぬか、日本での パームコミュニティの歴史を知るか知らぬかは、パームを使うのに問題にはならんで はないか。要は今、どう使うかと言うことだけだろうに。」
権三は少し苛立っていた。
「まあ、一部例外はあるけど、先駆者たちは多分「Palmを楽しく使おう」って考 えているんじゃないの?だから「どんな使い方だってアリ」なんだよ。それに対して がたがた抜かすほうが大人気ないっていうか、お子様なんだろうね。それにさ・・ ・。」
珈琲はお茶を一啜りすると呟いた。
「爺も俺らもまだジジイ?さん以外のまともなPalmユーザーにあった事ないじゃ ん?一人で考えていてもしょうがないし、他のユーザとも交流を持ったほうが良い様 な気がするだよ。」
「むう、それは面白そうだ。」
珈琲の提案に、権三の目が輝く。
「よかろう、そう言うところに参加するのも面白そうである。コピ、どこか心当たり はあるか?」
「まあ、ない事もないけど・・・。爺、喧嘩だけは避けるだよ。」
珈琲は、内心「権三が他のユーザーとトラブルを起こすのではないか」と思いつつ も、このままでいるよりはマシと思い、ある場所に電話をかけた。


(第12話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう。
概ねPalmと周辺機器のそろった権三。
彼は遂にある決意を秘め、とある場所に出陣する!
そこで彼は何を見るのか!?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「オフ会へ行こう!」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(勇気(+_+)\バキッ)



2001.02.01 超初心者ゴンザレス
インターミッション3



さて、権三の求めにより、珈琲はとある場所に電話をかけた。
プルプルプル、カチャ。
「はい、ジジイ?ですが。」
「あ、ども珈琲です。お世話になってます〜。実は赫赫云々・・・」
「え?また権三さんも無謀な事を・・・。もうちょっと勉強してから行っても良いも のを・・・。」
と、言いつつジジイ?はふむと唸った。
「まあ、行って見て体験するのも一つの手かもしれんな。しかし、権三さん短気だか らなあ。相手の態度次第では、UG壊滅とかそういう見出しがPUG−J等のHPで 踊りそうな気もするが・・・。」
「いや〜、それが悩みの種なんですよね〜。」
珈琲も頷く。とは言え、オフ会に参加しない場合には今後も権三が井の中の蛙のまま であることは否めない。
「うーん、権三さんが参加して、しかも大暴れしても笑って許してくれそうなところ となると・・・そんなUG、あんまりないなあ・・・。かと言って大阪までGO!な んて言う訳にもいかんし。」
ジジイ?もあんまり良い答えが浮かばない・・・。
「いっそのこと、とあるUGにぶつけて、毒を以って毒を制すと言う考えもあるが、 そんな事やって反Palmコミュニティの急先鋒になっても困るしなあ。権三さん権 力あるから。」
「やはり、最初は電子掲示板などからの参加のほうが簡単ですかね???」
珈琲は、他のPalmユーザーとの交流が出来れば良い様だ。
「まあ、俺らはどっちでも良い様に思うけどよ。」
「わかった。ちょっと心当たりを2〜3当って見よう。権三さんのメルアド宛に案内 状を送る様伝えておくよ。」
ジジイ?の提案に珈琲は心からの礼を述べ、電話を切った。
「おい、爺。とりあえず心当たりを当って見るから、案内状が届いたら参加っちゅう 事で良いかね?」
「おうよ。武士に二言はないのだ!」
珈琲の言葉に、権三は力いっぱい肯いた。

珈琲は「やれやれ」と言った表情で、権三から目を離すと、メールチェックを始め た。
本日も色々な業務依頼のメールが届いている。
こういうのを振り分けるのも珈琲の仕事なのだ。
「まったく、いい加減に仕事も減らないもんかね。俺らが忙しいって事はそれだけ世 の中に揉め事が多いっちゅう事だに。」
「そのおかげでわし等は良い暮らしが出来るって寸法よ。世の中うまく出来たものだ な。風が吹けば桶屋がボーカルってやつだ。」
権三は一人自分の台詞に肯く。
「それを言うなら「桶屋が儲かる」。まったく、いい加減な諺ばかり覚えよってから に。」
珈琲は振り分けるメールの多さに辟易としつつも、呟いた。

・・・と、権三はついとその場を離れた。
珈琲はそれを振りかえる事無く仕分け作業に取り掛かっている。


そして、権三は、珈琲の目の届かぬ事を確認すると、とあるところに電話をかけた。
「はい、ジジイ?ですが。」
「わしだ。ゴンザレスだ。」
「何だ、権三さんか。どうしたい?」
「お主の親戚、確か造り酒屋やっておったな!」
権三は勢い込んで話を進める。
「どうしたやぶから棒に。注文でもしようって魂胆かな?」
ジジイ?は楽しそうに言葉を返した。
「そのまさかよ。」
権三はにやりと笑いつつ答えた・・・。



その数日後、権三の参加したオフ会はとんでもない事になるのだが、この続きは本編 で語る事としよう。

(インターミッション終了)

 



2001.02.05 超初心者ゴンザレス 第十三話
「オフ会へ行こう!」


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同 じく ネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザレス パン チ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指しており、 え ?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。 権三 の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に権三 より 物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキ アン ・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで幅広 くこ なす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。




「あ、申しこみ案内が来ただよ。」
パソコンの画面とにらめっこしていた珈琲が言った。
「ほほう、どれどれ?」
権三が画面を覗き込む。
と、メールボックスに案内状が届いていた。
「ふむふむ、この手の集まりは「オフ会」と言うのか。オンラインとの区別とかかな ?」
「さあ?ところで、こう言う席では皆さん仮名とかハンドルネームで行くみたいだけ ど 、爺はどうするだね?俺らはコピで行くつもりだども。」
珈琲は案内状を印刷しつつ権三に尋ねた。
「本名じゃダメなのか?なんか潔くない様な気が・・・。」
権三は不快そうに言った。
「まあ、本名で出ている人もいるけどねえ。本名だと語りにくい事もあるでしょう よ。こ う言う席では。」
「ああ、ディープ・スロート(注:内部告発者の隠語)なら確かにそうしなければま ずい わな。」
権三は珈琲の指摘にうなづく。
「それに良く考えれば、わしが本名で出た場合、逃げ出す人間もおるじゃろう。何せ 今ま でに仕事で泣かした人間も多いからなあ。そうすると、わしはどうすべきかのう? 「槍の 権三」とでも名乗るかな?」
「何処の世界に近松門左衛門の作品名を名乗る馬鹿がおるだね?もっと気の利いた名 前に しろよ。」
珈琲はあきれた顔でたしなめた。
「だったらどんな名前にすれば良いのだ!ゴォォォンザレスゥゥゥゥ パァァァァァァァァ ァァァンチッッ!!!」
厚さ655,360,000,000mmの鉄板を打ちぬく権三の鉄拳が、珈琲の脳天 を直 撃する。
「にょご〜、この前からしばらく打たれてないから安心してたのに〜〜〜。」
油断していた珈琲はオフィスの壁に激突した。
「さ・・・作品名ロンゴロンゴ文字・・・ガクッ」
身体を張ったコメントと共に珈琲は倒れた。

「ちっ・・・使えぬやつよ。さて、そうなるとだよ・・・。」
珈琲を吹き飛ばした権三は、腕組をして考える。
「あんまり奇抜過ぎる名前でも、わし自身が忘れる可能性もあるしな。それならいっ その こと、通称名のゴンザレスで行くとしようか。それなら相手から呼ばれても、わし自 身だ とすぐにわかるわい。おい、コピ!」
「ううう・・・、なんだね爺。」
珈琲はようやくめり込んだ壁から這い出てくる。
「わしのコードネームはゴンザレスだ。それで登録しておけ。」
「まあ、それで良いのなら止めはしないけどよ。理由を聞かれたらどうするだね?」
「あだ名とでも言っておこう。」
権三の返答に珈琲はやれやれと首を振りつつ、登録した。

「ところで、先に言っとくけど、こう言う席では初心者であろうとも、あんまりちや ほや されないし、自分から話題に飛びこまないと、多分相手は話しに乗ってくれないと 思っと ったほうが良いだよ。」
珈琲は、念押しの様に権三に対して言った。
「本当に参加するんだね?」
「当たり前じゃい。そんな初心者扱いされてはわしのほうがたまらんわい。専門的な 話を してればそこに入っていって、今のはどう言う話なのか聞けば良いし、相手にされん かっ たらそれなりに勉強すれば良い。どこの団体にも面倒見の良い人はいるだろうし、そ うい う人間を探せば良い。第一わしは相手にされなかったからって、相手方をけなす様な 頭で っかちのとっちゃん坊やではないぞ。」
権三は珈琲の質問に対し豪語した。
「そううまく行けば良いけどね。」と思いつつ、珈琲はメールボックスの送信ボタン を押 した。
「まあ、何はともあれ、初めて参加するからには、予備知識なんざ必要ナッシング! パ ームが好きであって、後は勇気さえあればなんとでもなるわい。ついでにその団体の ヘッ ドさえ倒せばその日からわしがヘッドよ。ぐわっはっはっは〜。」
権三はなおも豪語する。
「爺、それはちょっと違う団体相手の話だよ。第一、Palmユーザーグループって そん な団体ではないだよ。」と珈琲は思ったが、それを口にして、更にゴンザレスパンチ を食 らう気力は今はなかった。



そして、オフ会当日・・・



会の内容についてはここでは割愛するが・・・(+_+)\バキッ
「いや〜、楽しかったのう、コピ!わしの戦歴にまた一つ箔がついたぞ!!」
権三は上機嫌で帰路についていた。
しかし、珈琲はと言うと、頭を抱えていた。
「・・・どこの世界にUGメンバー相手に酒の飲み比べなんぞ仕掛ける馬鹿がおるだ ね 。みんな担架に乗って救急車で運ばれていったぞ。」
「ちっ、まったくあれしきの酒で倒れるとは、皆修行が足りないのう。」
権三はなおも上機嫌である。
「パームを語らいつつ樽酒をあける。いや〜うまかった。やはり一人一樽振舞って やった のは気分が良いのう。これでわしの名はあのユーザーグループ内でもはや知らぬもの がな くなった事であろう。うんうん。」
「・・・あれ、灘の白鷹だろうに。どこから持って来ただね。」
珈琲は参加者全員分の樽酒を持ってきた権三にその出所を尋ねた。
「さて、とある友人からとでも言っておこう。おや、コピくん流星だぞ。」
「え?どこどこ??」
権三に不意を衝かれ、珈琲は空を見上げた。
「ほれ、あそこだ。願い事を言うと叶うんだったな。よっしゃ、わしがパームでも天 下を 取れます様に〜。」
「何て物騒な願い事だ」と思った珈琲は、夜空の蒼い流星に対して「どうかこの爺が 一度 くらい痛い目に遭います様に」と祈るのだった。






そして、珈琲の願はその翌日叶う事となる・・・。




(第13話終了)



(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
いよいよ、オフ会にも参加し意気上がる権三。
しかし、彼をあざ笑うかのように突然Vxはその機能を停止する。
一体、何がVxに起こったのか!?
権三はパームユーザーとして復帰できるのか?
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「再起不能」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!



これが勝利の鍵だ!(コールセンター)


2001.02.07 超初心者ゴンザレス 第十四話
再起不能


(主な登場人物)
権田原権三(仮名)・・・本編の主人公。年齢不詳。表の仕事は、え?ジジイ?と同 じくネゴシエイト業務関係。あだ名はゴンザレス。気に入らない事があると「ゴンザ レスパンチ」等の必殺技が飛び出す。性格は結構横暴。「真のモバイラー」を目指し ており、え?ジジイ?をライバル視している。
権田原珈琲(仮名)・・・権三の曾孫。何故「珈琲」と言う名前がついたかは不明。 権三の秘書であり、権三の必殺技を受けてもダメージを受けない唯一の人物。何気に 権三より物知りかもしれない。
え?ジジイ?(仮名(自爆))・・・携帯電話系&Palm系ダメダメサイト「ノキ アン・パーム(仮称)」管理人。表の仕事はネゴシエイター。対行政から対民間まで 幅広くこなす。ストレスゲージが上がると「物欲」が発動するそうな。




「ほへ〜」
何とも気の抜ける欠伸である。
ここは埼玉県某所にある権田原邸。
欠伸をしつつ伸びをした珈琲は、日課である新聞の記事のチェックを始めた。
何せ、「PDA−JAPAN」で珈琲君が大活躍する方がとてつもなく楽しい(注: 一部脚色&誇張)と評価された事から、最近俄然仕事にも張りが出るのだ。
人間誉めた方が仕事が伸びるものである。
と、作業をする珈琲の背後から轟音が響いた。

「あーああー。」

まるでターザンの遠吠えである。
前日のたらふく酒を飲んだにも関らず、権三はご機嫌である。
「いやいや、コピ君。昨日は良く飲んだのう。やはり酒は白鷹に限るわい。」
傍らの椅子にどっかと腰を下ろすと、権三はテレビのスイッチを捻った。
ニュースは、金庫株の特集を報道している。
「ちっ、まったく役に立たぬ報道よ。少しはここ (http://homepage2.nifty.com/dotechin/eop.htm)を見て勉強せんか!」
言いつつ、愛機Vxを手に取った権三は、本日の予定を確認するため、スイッチを入 れた。

しかし、画面には何も表示されない。

「ん?」
権三は何度かスイッチを押すと同時に、液晶のコントラストも調整してみた。
しかし、何度やっても画面には何も表示されない。
「おーおーおー!」
ふと思い当たる事があったのか、権三はポンと手を叩き、クレードルにVxを置い た。

そして、朝粥を作るため、厨房に向った。
権田原家では、常に権三が食事を作る事になっていた。
どうも某所で海原とか言う人に感銘を受けたらしいのだが、権三の手並みもまずまず のものであった。
しばらくして、厨房から権三の声が響く。
「コピ、飯の時間だ!!」

「いやいや、俺らだと安値で上げちまうけど、爺の場合は金掛かるんだよな。」
食器を洗いながら珈琲がぼやく。
確かに、権三らしいエピソードではある。

さて、こんな事をしてる間に一時間近く経過している。
権三はクレードルの上のVxを持ち上げた。
スイッチを入れる。
相変わらず何の反応もなしだ。

「???」

権三は、説明書を見ながらソフトリセットを行った。
Vxはうんともすんとも言わない。
「ほほう?」
権三の額に血管が浮かび始める。
いらつき出している証拠だ。
「仕方がないかくなる上は、アレしかあるまい。」
権三は思い立って、ハードリセットを行った。

ようやく画面に文字が表示される。
・・・が、すぐに表示が消えた。
「ぬわ〜にぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
権三の右の拳の黄燈色の光の奔流が現れた。
「どーいう事かな〜これは〜??んん〜〜〜???」
苛立ちのあまりとても恐ろしい形相になった権三は、食器洗いを終え居間に戻ってき た珈琲をふんづかまえた。
「コーピくーん。わしのパームがひどい事になっているがこれは誰の所為かな〜? ?」
「な、何するだね。俺らは何もしとらんだよ。爺のパームがどうかしたのかね??」
「お前でなければそれで良い。」
権三は珈琲を放り投げた。
「うひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜。」
珈琲はまたもや壁に激突した。
「さ・・・作品名・・・ヒッタイト文字・・・きゅう。」
身体を張ったコメントを残し、珈琲は倒れた。

とりあえず、これが機械的なトラブルである事を認識した権三は、説明書に書いて あったコールセンターの番号をダイアルした。
「もしもし、わしは善良な一パームユーザーだが、わしのパームが動かんのじゃよ。 なんとかしてくれい。」
権三の要請に対し、コールセンターの担当者はマニュアル通り返した。
「はい、こちらコールセンターです。どのようなご用件でしょうか?」
「だーかーらー、わしのパームが壊れたんじゃ。」
「まずスイッチを入れてみてください。」
「だーかーらー、スイッチも入れたし、コントラストも弄った。でも表示されん。何 とかしてくれ!」
権三の声が切羽詰ったものに変る。
「それではハードリセットを行って見てください。やり方は・・・」
「それも試したけどダメなんじゃ!大体ここに電話する前に、大抵のことはやっと る。それでも動かんのじゃ。」
「えー、それでは、貴方様のPalmが動かなくなっているという事で宜しいです ね。」
「・・・貴様、ゴンザレスパンチは好きか?」
「は?」
コールセンターの担当者は、軽く権三の恫喝を交わす。
こうでなくては担当者は勤まらないのである。
権三は内心、なかなか豪胆な者よ、と感心しつつ言葉をつないだ。
「ともかく表示出来る様にしてくれんか。でないと仕事に差し障る。」
「わかりました。それでは、貴方のPalmの機械異常という事ですね。日本での修 理の場合すべて良品交換と言う形をとらせて頂いております。修理受付番号を発行致 しますので、それを添付したPalm本体を当社宛にお送り下さいませ。」
コールセンター担当者の説明に、権三はほうほうと頷く。
「なお、同じ型でもシリアル番号の違うものと交換させていただきますので、ぜひ バックアップをお取り下さい。またPalmに今つけておりますアクセサリー類は必 ず外して送ってくださいます様お願致します。また、送付の場合お客様ご負担となる 事をご了承下さい。」
担当者の説明に、もはや権三は「いや、ホットシンクも何もどうにも動かないんだ が」とも言えず、頷く以外の術を持たなかった。
「なお、付け加えておきますと、購入から1年以内は無償修理となりますが、保証期 間内であっても、ディスプレイのガラス面の破損につきましては有償となります。ま た有償の場合は一律12,000円の消費税込み金額にて承らせて頂きますので、ご 了解下さいませ。」
「あー、わかった、わかった。どうでも良いから早く番号出して、修理させてく れ。」
権三、もはや聞く気が失せている。
「では修理という事で承ります。ありがとうございました。」
担当者は、マニュアル通りの対応を終え番号を発行すると、その番号を権三のメール アドレスまで送ると告げた。

ようやく電話も終り、何はともあれ権三はすっきりした気分であった。
パームは壊れたが良品交換してくれるとの事である。
「いやいや、早速パームを送り出すとするか。」
権三はパームを適当に梱包すると、担当者の指示した宛先へ送り出した。

さて、ここで権三ははたとある事に気付いた。
「わし、戻ってくるまでの間、パームなしでどうしよう?」
「ううう、ひどい目にあっただよ。」
珈琲はようやく壁から抜け出してきた。
「おい、コピ!わしのパームが壊れたのだ。お前のパームを貸せい!!」
権三は珈琲に命じた。

「いやだよ。」

「・・・何故?」

「自分で買えば良いじゃん。2台目。爺金持ちなんだから。」

珈琲の台詞にひらめくものがあったのか、権三の顔が呆けたようになる。
が、その直後・・・。
「なんでもっと前にそれを言わんのだぁぁぁぁぁぁ!ゴォォォォォォォンザレ スゥゥゥゥゥゥゥゥゥパァァァァァァァァァァンチッッ!!」
もはや形容する事すら難しい威力を秘めた権三の鉄拳が、珈琲の脳天に命中する。
「ごぶぅっ!あ・・・あんまりだ〜・・・。」
涙を流しながら、珈琲はまたもや倒れた。

「ちっ、使えぬやつよ。しかし、弐号機を買うというのはなかなかナイスアイデアで ある。」
権三は言いつつ、パソコンを立ち上げた。
「しかし、どれが使いやすいのかのう。わしにはさっぱり判らんわい。」
確かに最近のものはどれもこれと言った決め技がない事も事実である。
権三はうーむと、唸ると、とりあえずその手のホームページを見る事にした。

(第14話終了)


(次回予告)
君達に最新情報を公開しよう!
原因不明の故障で交換の旅に出たVx。
しかし、その間にも権三には仕事が舞い込むこと必定である。
果たしてその間のデータはどう処理するのか?
やっぱり珈琲のPrismにまかせるしかないのか!
「超初心者ゴンザレス」NEXT!
「バックアップ」
次回もこのHPでファイナルホットシンク承認!!


これが勝利の鍵だ!(PalmBOKAN)

 



2001.02.09 超初心者ゴンザレス
インターミッション4



さて、第13話にてUGオフ会に参戦したものの、いきなり樽酒を振舞うは、飲み比べを行うはと暴走した権三ではあったが、却ってその暴走ぶりが気に入られたからか、春のオフ会の案内のメールが送られてきた・・・。

「爺、只野さんとこのUGから案内が来ただよ〜。新宿でオフだって。」
メールを打ち出しながら珈琲が呼びかけた。
ここは埼玉にある権田原家。
権三は昨日徹夜で書類作成を行っており、目がしょぼしょぼしていた。
「んあ〜、案内状?パームのか〜??」
「行くなら行くって返事出しとくだよ〜。」
「お〜出しとけ〜。」
弐号機(TRG)の予定表も見ずに生返事をすると、権三はふらふらと床についた。
「・・・良いのかね?平日の突発オフらしいけど・・・。」
珈琲は首を捻りつつ、参加の返事を送った。


「コピ!何故一言説明せんのだぁぁぁぁ!!間に合わんぞぉぉぉぉ!!!」
伊勢丹前の大通りを人を掻き分けながら走る権三。
「だって、聞かなかったじゃないかぁぁぁぁ!」
珈琲も掻き分けながら答える。
「ええい、愚民どもそこをどけぇぇぇぇ!!」
およそ、地位も名誉もある人間の台詞とは思えないが、まあ、あせっている時の心境ってのは得てしてこういうものである。ゴンザレスパンチを出さないだけマシと言うものか。
「あ、権田原さ〜ん、こっちですよ〜。」
紀伊国屋書店の前で、背の高い青年が手を振る。
「おお、只野さんか。遅くなってすまん。何せこの馬鹿が時間を読めんもので。」
「何言っとるだね。自分が予定表確認しないツケを俺らに振るなよ。」
「お前は黙ってろ、ゴォォォンザレスゥゥゥゥゥパァァァァァァンチッッ!!」
証拠隠滅のため、権三の鉄拳が唸った。
「ばぴょ〜ん」
鉄拳を受けて吹き飛ぶ珈琲であった。
「・・・相変わらず豪快ですねえ。」
UG世話人の只野遊佐は、感心するばかりであった。
「そう言えば先日はすまんでした。まさか倒れるとは思いませんで。」
深深とあやまる権三を前に只野はいえいえと手を振った。
「そんな、後で聞いたら治療費他全額負担してくれた上に見舞いの品まで届けてもらいまして。」
さすがに権三も罪の意識があったからか、彼等が担ぎこまれた病院に手を回したようである。
「まあ、今日は適度なお酒と言う事で。」
只野は言いつつ、権三達を会場へと案内した。

オフ会は、さすがに今回は普通に進んだ。
各自のPalmの使い方ばかりでなく、その他の趣味の話、いつも見ているテレビドラマの今後の行方など、Palmを使っているユーザーではあるが、メインの話題にも織り交ぜつつ、普通の会話が続くのである。
もちろん赤外線ビームによる名刺交換等も行われる。
気がつけば、料理はすっかり冷めているという事もあるのだ。

権三は只野が持っている薄い箱に興味を持った。
「只野さん、何ですかそれ?」
「あ、これはPalmPortableKeyboardって言って折畳式のキーボードなんですよ。長文とか外で書くときには結構便利ですよ。ほら、折り畳んで持ち運ぶときは小さくなりますから。」
権三の目の前で、只野は通称名PPKを開いて見せた。
「PPKと言えば普通Waltherってのが相場だが。こう言う物もあるのか。恐らくアメリカではPPKでの登録商標は難しいんだろうな〜。そういえばこれのスペシャルバージョンはPPK/Sって言うのかな??」
権三は一部の人しかわからないような事をぼやきつつ、貸してもらったPPKを弄った。
「むう、これは良さそうである。」
「でしょ?最近お気に入りなんですよ。こいつ。ゴンザレスさんはVxだからATOKが入ってるんですよね〜。うーん、僕はVisorDXだからTARGASですけど、Vx用のも魅力的なんだよな〜。機種変更しちゃおうかな??」
OSがほとんど同じな為データの移行も簡単な事から出来る芸当ではあるが、権三には何が何だかちんぷんかんぷんである。
「ほほー、初号機(Vx)用のはパームの本社で売っているのですか。やはり純正品が良いですしねえ。」
未だにPalm社とHandspring社他の区別のつかぬ権三である。
よって本社とそれ以外と言う区別しかできないのだ。
知ってか知らずか、只野は続けた。
「ええ。あのPalmのマークが良いって人もいますしね。性能は同じでも、そう言う部分で気になりますよね。だからPalmって散財しちゃうんですよ〜。」
他のUGメンバーも何気に頷く。
実際Palmの周辺機器には魅力的なものも多い。
珈琲なんぞは最近Soundgoodモジュールに興味を持っている様でもある。
問題はどこからMP3のデータを落とせば良いかわからないことであるが(+_+)\バキッ

さて、和やかな内にオフ会は終了した。
終了の時、只野は権三を次回のオフ会幹事に任命したいと言い出し、参加者はこれに同意した。
やはり樽酒をメンバーの人数分持ってくるくらいの行動力に感心したらしい。
「・・・で、会費は安く抑えて、腹いっぱい食えれば良いと言うことですな。」
権三は只野に確認した。
「ええ、とにかく集まってみんなで騒ぐって趣旨なんで、やはり交通の便の良いところで帰りの電車とか心配しなくてすむところが良いですね。」
「ふむ、わかりました。そう言うところを押えましょう。」
只野の答えに頷いた権三は幹事を承諾し、次回のオフ会を楽しみにと言う事で解散した。


後日、次のオフ会の会場について権三はとんでもないところを予約するのだが、それはまた別なお話。

(インターミッション4終了)

 



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